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温暖化対策気候変動で自国脱出する「環境難民」急増に備えを 国連UNHCRが呼び掛け
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ高等弁務官は21日、気候変動の影響で自国を逃れる「環境難民」の急増に世界各国が備えなければならないと述べた。モザンビークのペンバのサイクロン被災地で昨年5月撮影(2020年 ロイター/MIKE HUTCHINGS)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ高等弁務官は21日、気候変動の影響で自国を逃れる「環境難民」の急増に世界各国が備えなければならないと述べた。難民は数百万人に上る可能性があるとした。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に合わせてロイターのインタビューに応じた。
国連人権理事会(UNHRC)は前日、気候変動を理由とした難民申請を各国政府が認めるべきとする初の判断を下した。きっかけは太平洋の島国、キリバス出身のイオアネ・テイティオタ氏が、気候変動を理由にニュージーランドに難民申請を行い、申請を却下されたため、UNHRCに申し立てを行ったことだった。グランディ高等弁務官は判断について、気候変動で自国を逃れる人を各国が受け入るべきだと説明し、各国に広範囲な影響があると述べた。
グランディ氏は「判断の下、気候変動や気候の緊急事態により差し迫った脅威がある場合、人々は他国から自国へ送り返されてはならない。戦争や迫害などと同様に命に危険が及ぶからだ」と指摘。「意思に反して自国を離れる人が急増する事態に備えなければならない」とし、「具体的な人数は推測になるため出さないが、確実に数百万単位だろう」と述べた。
自国を逃れる要因としては、オーストラリアで見られたような山火事や、海抜が低い島国に影響する海面上昇、サハラ以南のアフリカにおける穀物や家畜への打撃、先進国でも見られる世界的な洪水などが挙げられる。
70年前に設立されたUNHCRは、紛争の影響で貧しくなった国を逃れる人たちを支援してきた。気候変動に関する今回の判決は、これまでよりも難民の定義を特定しておらず、先進国の人も対象となる。
グランディ氏は「難民の移動のほか、より広範な移民人口の問題が世界的な課題であることを示す新たな証拠だ」と述べた。
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