ミャンマー民主化の華だったスーチー、今や中国共産党と「一帯一路」で蜜月に
説得工作
訪中団に参加したあるNLD関係者に話を聞くと、ミャンマー国内で台頭しつつある政治階層に、中国がいかにして友人を見つけようとしているかが伝わってくる。
英国植民地時代の首都だったヤンゴンを拡張するある「一帯一路」計画は、昨年5月に中国交通建設がコンサルタンティング契約を結んだ後、ミャンマー側が提供する土地の広さや、収益配分の公平性をめぐって地元政治家から反発が起きた。
数カ月も経たないうちに、視察旅行が企画された。これに参加した関係者2人と、視察時に投稿されたフェイスブックの書き込みによると、ヤンゴンの地元政治家らは2018年9月に中国を訪れ、中国交通建設の幹部と面会、同社が建設した上海近郊の陽山港を訪れている。
参加者の1人で、はっきりした物言いで知られるNLDの国会議員Sandar Min氏は、「彼らのプロジェクトのための説得工作だと理解した」と話す。「良いホテルをあてがわれ、美味しい食事でもてなされた」
視察に参加したからといって、ヤンゴンのプロジェクトに懸念を表明しなくなることはない、とSandar Min氏は話す。それでも、中国式の開発モデルを再評価するきっかけになったという。
「中国は20年で急速に発展した。道路も見違えた。一党独裁体制のおかげなのだろうか」と、同氏は言う。「あの国では、進行するプロジェクトに異を唱える者は1人もいない」
(翻訳:エァクレーレン)
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