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ブレグジット英政府、臨時閣議でEU離脱協定案を承認 議会可決は不透明
11月14日、英国のメイ首相は欧州連合(EU)離脱を巡る合意草案が閣議で承認されたと明らかにした(2018年 ロイター/HENRY NICHOLLS)
英政府は14日の臨時閣議で、欧州連合(EU)からの離脱協定素案を承認した。メイ英首相は、メイ氏は今後、議会の承認に向けて取り組むことになる。
メイ氏は5時間にわたる閣議後、首相官邸前で「内閣として、政府が離脱協定素案と政治宣言の概要を承認すべきとの決定に至った」と説明。「この決定が英国全体の最善の利益だと強く信じている」と強調した。
離脱協定素案を巡り辞任する閣僚がいるかどうかは現時点で不明だが、メイ氏は、離脱派と親EU派双方の支持を取り付けることを期待している。ただ、EUからの完全独立を求める離脱派が待ち構える議会で承認されるかは依然不透明だ。
メイ氏は英議会での採決の日程を明らかにしていない。承認には、全650人の議会で約320人の支持が必要になる。
複数記者によると、この日の閣議で保守の離脱推進派は離脱協定案に激しい怒りを示した。そのため、メイ氏の不信任投票を呼び掛ける可能性があるという。
あるEU懐疑派議員は、閣議決定は全会一致ではなかったと指摘。また、ブレグジット反対派の多くは、EU加盟国としての恩恵を何も受けられない一方で、EU規定の順守が求められることへの懸念を示している。国民投票の再実施を求める声もある。
英国の将来像は見通せていない。円滑な離脱から草案拒否までさまざまな可能性がある。草案拒否なら首相辞任にもつながりかねず、合意なき離脱のほか、国民投票の再実施も考えられる。
離脱交渉では、英・北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題が最大の障害になってきた。
EUと英国が一致した離脱協定案では、移行期間終了後も新たな貿易合意が得られない場合に、アイルランド国境の管理厳格化回避に向けた必要な方策について2020年7月に決める計画。
メイ政権を支える北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)は、北アイルランドを英国の他の地域と同じように扱わない案には反対するとしている。
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