最新記事

基礎知識

ムスリムに恋をしたら結婚できる? 今さら聞けないイスラム教15の疑問

2018年7月5日(木)21時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Q 04. 最も重要な教義は何ですか?

イスラム教の根本教義は「タウヒード(神の唯一性)」を受け入れることである。

コーランではアッラーが唯一の神であるとの主張が繰り返され、アッラー以外にはいかなる神の存在も認めないとの立場が表明される。またアッラーは子をなすことも、子として生まれることもない永遠の存在とされる。

前者は多神信仰の否定であり、後者はキリスト教カトリックの根本教義である神とイエスの関係を規定する「三位一体論」の否定である。この点で、イスラム教はキリスト教と相容れない。

タウヒードの否定は最大の罪と見なされる。

Q 05. いつ、どこで、どうやって祈りますか?

1日5回、モスクや自宅などで行い、17の動作がひとつの単位となっている。イスラム教徒は、夜明け前、正午過ぎ、午後、日没後、夜と、1日5回の礼拝が義務付けられており、その時間はアザーンという呼びかけの声で知る。礼拝前にはウドゥーウという浄めを行う必要があり、これを行わないと礼拝義務を果たしたことにならない。

メッカの方角を向き、直立礼、屈折礼、平伏礼などからなる17の動作を一単位として、各回ごとに決められた単位数を行う。金曜日の正午過ぎの礼拝はモスクでの集団礼拝が求められるが、それ以外は「清浄な場所」という条件を満たせば、自宅や職場の一角、道端などで、1人で行ってもいい。

集団で一糸乱れぬさまが思い浮かぶかもしれないが、足腰の不自由な人が平伏礼などを行う必要はなく、また礼拝時刻に手の離せない仕事を抱えている人は開始を遅らせてもよい。したがって、椅子に座って礼拝する人や、後から集団礼拝に加わる人の姿も、よく目にする。

Q 06. 聖職者はいますか?

人間は神の前では平等である、との考えに基づき、アッラーと人間を仲介する聖職者は原則として存在しない。しばしばウラマー(イスラム的知識人)や、イラン・イスラム共和国の最高指導者ハメネイ師に代表される、ターバンをかぶり、長衣を着て、人々を導くファギーフ(法学者)が聖職者と見なされることがあるが、彼らはあくまでも学者という存在である。

ただ、もっぱら修行に励み、最終的に神と一体化(合一)することを目指すスーフィー(神秘主義者)は聖職者に近い位置づけだ。またムハンマドは別格で、アッラーが行う最後の審判の際、人々の執り成しをする存在とされる。

Q 07. どうやったら信者になれますか?

信仰告白でOK だが棄教は厳禁。2人の公正なイスラム教徒男性の前で、「唯一神アッラーのほかに神はなく(ラー・イラーハ・イッラッラー)、ムハンマドはアッラーの使徒である(ムハンマド・ラスール・アッラー)」とアラビア語で唱えることで入信できる。

この文言は、前半が神の唯一性の確認、後半がムハンマドの使徒性(預言者であること)の確認となっており、この組み合わせでイスラム教徒となることを表明するのである。入信に際して、人種、国籍、性別などの制限はない。

入信後は神の唯一性を信じ、また六信五行の遵守を誓う。このように入信はいたって簡単であるが、棄教は厳禁である。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

日本政府、イラン情勢悪化で情報連絡室 「万全な対応

ワールド

米・イスラエルがイラン攻撃、中東は新たな軍事対立に

ワールド

情報BOX:イラン攻撃の影響は、世界石油供給の約4

ワールド

対イラン攻撃、「イラン国民が自らの運命切り開けるよ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「内側」から食い尽くす...カナダの大学が発表
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 6
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKI…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中