4期目のプーチンを襲うロシア経済危機 トランプが発表した新制裁が重荷に
不透明感とリスクが増したことで、ロシア企業は海外からの借り入が難しくなり、海外からの投資も減っていくと、ブルーベイ・アセットマネジメントのティム・アッシュ氏は述べた。
アッシュ氏は「制裁が縮小に向かわないかぎり、ロシア勢の資金調達環境はさらに引き締まる。長期的には経済に悪影響をもたらし、沈滞を招くだろう」と警鐘を鳴らす。
アルファバンクのヘッドエコノミストのナタリア・オルロワ氏は「このような不透明な状況で利下げを急ぐのは危うい」と述べ、中央銀行が景気刺激のための利下げを実行する上でより長い時間をかけるのではないかとの見方を示した。
トレマソフ氏は追加制裁により、高い金利で人気があるロシア政府債(OFZ)から、海外投資家が手を引いてしまう恐れがあると述べた。OFZの10年物は9日、7.32%まで上昇(価格は下落)した。先週は7・05%近辺だった。
外国人のOFZ保有は2月1日時点で全体の33.9%に相当する400億ドル近くある。トレマソフ氏は「外国人投資家にとって深刻な兆候だ。OFZからの資金流出を招くかもしれず、それは一般の金利の上昇につながる」と語った。
(Jack Stubbs and Polina Nikolskaya記者)
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