中国対アメリカの農業大戦争が始まった
欧米各社の連携が重要
研究開発能力では、アメリカが中国よりもはるかに優位にある。この地位を維持するために、アメリカの政府と民間部門は新たな革新的技術を開発する取り組みを改めて強化すべきだろう。
さらに中国に対抗する1つの方法が、統合戦略を通じて革新を加速させることだ。米農業会連合と米上院農林委員会の主任エコノミストを務めたロバート・ヤングは、専門分野の異なる農業関連企業を統合することが革新的な研究プロセスの追求につながると提唱している。
昨年9月には、アメリカの農業・化学大手であるダウ・ケミカルとデュポンが対等合併。ドイツの医薬・農薬大手バイエルも、農業バイオ技術大手の米モンサントを買収することで合意している。
こうした動きはアメリカで新たな研究開発関連の雇用を創出し、中国が貴重な知的財産を握るのを阻止することにつながりそうだ。各規制当局は、欧米各社が中国に対抗するための取引を邪魔しないようにするべきだ。
世界の食料需要が高まり続けるなかで、アメリカは農業をこれまで以上に経済の重要部門として位置付けるべきだろう。トランプ政権と米農務省は、今こそ農業部門の強化策に乗り出すべきだ。
方法は2つ。1つは農業の革新を支持し続けること。もう1つは、民間部門が現在の力強い立場を維持できるよう市場の力を損なわないことだ。
<本誌2018年1月16日号掲載>
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