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自然イルカの聴力さえ奪う魚のセックス大騒音
アマゾン川で捕獲されたコルビナの一種 Paulo Santos-REUTERS
<イルカの聴力さえ奪う魚のセックス大騒音 繁殖のときコルビナのオスは、銃声のような音を出す。数百万匹が集まる大合唱は、海の生物で最大の音響ショーだ>
米カリフォルニアで、150万匹の魚が交尾する雷鳴のような音が録音された。コルビナという魚が繁殖相手を呼ぶ声で、水中の生き物が出す音としては最大の部類。イルカやアシカの耳をだめにしてしまうほどだという。
「カリフォルニア湾に春がくると、コルビナの成魚はすべて湾最北部のコロラド川デルタの一カ所に集まる。数百万匹からなる産卵集団を作るためだ」と、テキサス大学オースティン校の海洋科学研究所のブラッド・エリスマン准教授とカリフォルニア大学サンディエゴ校のスクリップス海洋学研究所博士課程のティモシー・ロウウェルは、学術誌の生物学レターに書いた。
交尾するとき、コルビナのオスは銃声のような鋭い音波パルスを出す。それが数百万匹の合唱になると、釣り船からでも聞こえるような音量になる。エリスマンたちは最先端の録音装置で4日以上続いた魚たちの乱交パーティーの音を拾い続けた。
大音量が引き寄せる敵
「これまで録音された魚や海の生き物のなかで最大の音量だった。他の海洋生物の耳が聞こえなくなってしまうほどだ」と、2人は書いている。その音はあまりに大きく周辺の音量レベルが21倍にもなってしまうほどで、「まさに野生の音響ショーだ」という。
大きな騒音は、イルカやアシカの聴力を永遠に奪ってしまうほどだが、そんな危険にも関わらず、海の生物たちはコルビナの大群を食べようと集まってくる。音を聞きつけた人間の釣り船もやってくる。
餌にありつけるか、聴力を失うか REUTERS/USFW
乱獲による数の減少がなければ、コルビナの合唱はもっとうるさかったかもしれないという。乱獲は、この最もユニークな海のショーを葬りつつあると2人の科学者は書く。そのうち、聞けなくなってしまうかもしれない。
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