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昆虫食朝は「コオロギパン」でタンパク質を補給
ファッツェルのコオロギパン。昆虫は鉄分などの優れた供給源だ Courtesy Fazer
<フィンランドの食品大手がコオロギの粉末で作ったパンを発売開始>
ライ麦や小麦のパンよ、さようなら。これからはコオロギパンの時代。そう、本物のコオロギで作ったパンだ。
フィンランドの食品大手ファッツェルは、世界初と称する昆虫のパンを販売中。原料には、1個当たり約70匹のコオロギを乾燥させてすりつぶした粉末が含まれる。
このコオロギパン、普通の小麦パンより多くのタンパク質が含まれている。食生活にタンパク質が足りない人にはおススメの選択肢かもしれない。
「消費者に良質なタンパク源と、昆虫ベースの食品に慣れる簡単な方法を提供する」製品だと、同社のパン製造部門ファッツェル・ベーカリーのイノベーション担当責任者ユハニ・シバコフはロイター通信に語った。ファッツェルでは、ゆくゆくはフィンランド国内全47店舗でコオロギパンの販売を目指している。
昆虫を食品として販売することを認可したヨーロッパの国としては、フィンランドは後発に位置している。コオロギパンのアイデアは1年以上前からあったが、販売が可能になったのは11月になってからだ。
それまでフィンランドでは、昆虫を食品として販売することは禁止されていた。オーストリア、ベルギー、イギリス、デンマーク、オランダなどでは、既に消費者はこの種の製品を買うことができた。
このところ国連食糧農業機関(FAO)などを筆頭に、昆虫を食生活の一部に取り入れるための研究や啓蒙活動が盛んになっている。13年のFAOの報告書は、人類は既に1900種類を超える昆虫を食品として利用していると指摘した。
「100万種の昆虫種のうち、1900種が人間によって消費されている。最もよく食べられているのは、甲虫、芋虫、ハチ、アリ、バッタ、イナゴ、コオロギなどの仲間だ」
昆虫食推進派は、食品としての昆虫の大きな利点の1つは栄養が豊富なことだと主張する。シバコフはAP通信に対し、昆虫は「脂肪酸、カルシウム、鉄分、ビタミンB12」の優れた供給源だと語った。
一方、環境への好影響という観点から昆虫食を推奨する声もある。例えば、昆虫は豚や牛のような家畜より温室効果ガスの放出が少ない。さらに昆虫は、有機廃棄物を餌にして育てることができる。
昆虫を食べると聞いて、「えっ!」と思う人は単なる食わず嫌いなのかもしれない。問題は、心理的な抵抗感をどうやって解消するかだろう。
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[2017年12月19日号掲載]