皇太子が電撃交代、サウジ王室の「クーデター」舞台裏
情報提供者らによれば、王位継承の争いが始まったのは2015年であり、発端は、ナエフ氏の個人宮廷が解体されて国王の宮廷と統合されたことだ。、これによって、ナエフ氏が独自に庇護を与えて支持者を育てることが困難になった。その後、安全保障分野でナエフ氏の顧問であったサウード・アル・ジャブリ氏も解任された。
ナエフ氏はアルカイダ対策で成功を収めたことにより、米国の安全保障・情報機関の関係者から強い支持を得ていたが、サルマン氏はこれに対抗するため、トランプ大統領の就任を機に、米国政府との人脈を強化してきた。
ナエフ氏に近い筋がロイターに語ったところによれば、今回の「クーデター」は、サルマン氏がトランプ大統領の娘婿であるジャレド・クシュナー氏と強固な関係を築いた後に決行されたものだという。
ナエフ氏が皇太子から外され、代ってサルマン氏が昇格したことについて、あるホワイトハウス当局者は次のように語っている。
「米国政府は、他国の難しい国内事情に介入しないように、また介入していると見られないように心がけている。国王、ムハンマド・ビン・ナエフ王子、ムハンマド・ビン・サルマン王子には大きな敬意を払っており、一貫して、サウジアラビア王国及びその指導部との協力を維持したいという希望を強調してきた。このメッセージは、政府のあらゆるレベルで伝達している」
サルマン氏の突然の昇格を受けて、現在、外交関係者、サウジアラビア及び他のアラブ諸国当局者のあいだには、現国王が息子への譲位を準備しているのではないかとの憶測が浮上している。
サウジアラビアのある情報提供者は、宮廷での証言を引用して、現国王は今月、息子への譲位を発表する声明の事前録音を行ったと述べている。この発表はいつでも放映可能で、早ければ9月になるという。
(翻訳:エァクレーレン)
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