最新記事

キャリア

ネガティブになりがちな内向型人間にも、10の強みがある

2017年5月26日(金)16時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 第1章にも書いたとおり、神経生物学的に見ても「内向型人間」と「外向型人間」の違いは明らかです。「内向型人間」の自律神経系と神経路は集中や習得や熟考や記憶に適し、「外向型人間」の自律神経系と神経路は活発な行動や刺激の追求に適しているからです。

 この生物学的違いが両者の強みを明確にしてくれます。しかしすべての「内向型人間」が次にあげる10項目すべての強みをもっているわけではありません。またそれらの強みのすべてが「内向型人間」だけに当てはまるというわけでもありません。「外向型人間」の中にも文章力や分析力に優れている人はいます。ですが「内向型人間」のほうが(私の経験から見ると)圧倒的に次にあげる強みをもっている可能性が高いのです。

「この強みは私に当てはまる?」そう考えながら、次を読んでください。そして章の最後にある質問に答えましょう。その答えがあなたにとって重要な認識、宝になります。

「内向型人間」の強み

強み(1):慎重である

相手を尊重している証拠

 慎重さは強みでもなんでもないように思われるかもしれません。でも実は強みなのです。慎重に行動する人は、人との付き合い方においても慎重です。ぶしつけな態度を取ったり、相手を威圧したりするようなことはしません。相手の意向を尊重し、理解することができます。自分の意見に固執することもありません。

 神経生物学的に見ると「内向型人間」は「安全追求型」、「外向型人間」は「報酬追求型」です。「慎重である」という強みは「安全追求型」の特性、言わばよい特性です。「内向型人間」は周囲をよく観察し、十分考えてからでないとリスクをともなうことに関わろうとはしません。とにかく危険を避けようとします......。

 リスクをともなうこととは、バンジージャンプや株式投資といったものだけではありません。コミュニケーションにもリスクはあります。「内向型人間」はやたらと比較したり、押しつけがましい提案をしたり、突発的なアイデアを口にしたり、挑発したりということはしません。他人とコミュニケーションする上で2つのことを大事にしています。1つ目は、相手に対してある程度距離を置くこと。「内向型人間」はそう簡単に自分をさらけ出そうとはしません。自分を感動させるものや動揺させるもの、また自分にとって大切なことは本当の友達にしか伝えません。ですが、それは相手を尊重しているからなのです。そして2つ目は、考えずにものを言ったり、決断したりしないこと。「内向型人間」は考えつくしたもの、確認しつくしたこと以外は口にしません。だから他人のあまり考えのない意見をネガティブに受けとる傾向があります。

慎重さが不安になると......

「内向型人間」は自分について、または自分が感動したものについて話をするときに慎重になりすぎることがあります。「外向型人間」はこれを「近寄りがたい」、または「愛想が悪い」と受けとります。

「内向型人間」の慎重さは最悪の場合「不安」を招き、それが弱みになります。これについては次の章で説明します。「内向型人間」の慎重さはたいていの人からよい印象をもたれます。なぜなら相手は真剣に向き合ってもらえていると感じ、気分よくいられるからです。「内向型人間」の意見は押しつけがましいところがないだけでなく本質をついていることが多い、というのも好印象をもたれる理由です。これが強み(2)です。

【参考記事】「折れない心」を持っている人には、信頼できる人間関係がある

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米とウクライナ、和平案を「更新・改良」 協議継続へ

ビジネス

FRBの金融政策は適切、12月利下げに慎重=ボスト

ビジネス

米経済全体の景気後退リスクない、政府閉鎖で110億

ワールド

アングル:労災被害者の韓国大統領、産業現場での事故
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 5
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中