ネガティブになりがちな内向型人間にも、10の強みがある
強み(2):本質的なものを見出す
深い次元のコミュニケーション
「内向型人間」の脳は外界から受けとった印象を常に処理しています。見たものや聞いたものや考えを整理しているのです。つまり起きているときは常に(自分自身や他人について、意味について、理想と現実について)考えごとをしているということです。これは「内向型人間」の脳の特別な働きによるものですが、実はこの特性が「本質的なものを見出す力」(「内向型」脳のすばらしい能力の1つ)になります。この力に支えられた「内向型人間」は重要で的確で正確なことしか言いません。深い意味のあること、つまり「本質的」なことしか語りません。そのため、「内向型人間」のコミュニケーションは深いものになるのです。
深い真の友情を大事にする
「本質的なものを見出す」という特性は、人間関係にもよい影響を与えます。「本質的なものを見出す」人は貴重な存在です。誰彼かまわず付き合うのではなく、限られた人とだけ真剣に付き合います。会話を大事にし、内容を誇張したり美しく見せたりしようとはしません。浅く広い人間関係より数は少ないけれど深い人間関係、つまり一生続く真の友情を築こうとします。こういう人のほうがよい人間関係を築きやすいのです。
受け身の印象
しかし「本質的なものを見出す」人には弱点があります。それは「速い」コミュニケーションについていけないことです。コミュニケーションを自分が望むところまで深めようとするので、脳内の情報処理、特にものごとを吟味したり問題を解いたりするのに多くの時間を必要とします。それで「速い」話についていけなくて、周囲から「のろま」だとか、受け身だと思われてしまうことが多いのです(周りの人には彼らの脳の中で行われている情報処理が見えませんから)。
「本質的なものを見出す」人は、形式的なことや皮相的なものを大切とは見なしません。興味がないのです。実はこれがいろいろな場面で役に立ちます。深い内容の話をしているとき、学術的な議論をしているとき、哲学的な記事を読んでいるとき、会議で対策を練っているときなどに役に立つのです。
※第3回:内向型人間が自覚すべき、ストレスを感じる10のポイント
『内向型人間のための人生戦略大全』
シルビア・レーケン 著
岡本朋子 訳
CCCメディアハウス
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