最新記事

キャリア

ネガティブになりがちな内向型人間にも、10の強みがある

2017年5月26日(金)16時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

強み(2):本質的なものを見出す

深い次元のコミュニケーション

「内向型人間」の脳は外界から受けとった印象を常に処理しています。見たものや聞いたものや考えを整理しているのです。つまり起きているときは常に(自分自身や他人について、意味について、理想と現実について)考えごとをしているということです。これは「内向型人間」の脳の特別な働きによるものですが、実はこの特性が「本質的なものを見出す力」(「内向型」脳のすばらしい能力の1つ)になります。この力に支えられた「内向型人間」は重要で的確で正確なことしか言いません。深い意味のあること、つまり「本質的」なことしか語りません。そのため、「内向型人間」のコミュニケーションは深いものになるのです。

深い真の友情を大事にする

「本質的なものを見出す」という特性は、人間関係にもよい影響を与えます。「本質的なものを見出す」人は貴重な存在です。誰彼かまわず付き合うのではなく、限られた人とだけ真剣に付き合います。会話を大事にし、内容を誇張したり美しく見せたりしようとはしません。浅く広い人間関係より数は少ないけれど深い人間関係、つまり一生続く真の友情を築こうとします。こういう人のほうがよい人間関係を築きやすいのです。

受け身の印象

 しかし「本質的なものを見出す」人には弱点があります。それは「速い」コミュニケーションについていけないことです。コミュニケーションを自分が望むところまで深めようとするので、脳内の情報処理、特にものごとを吟味したり問題を解いたりするのに多くの時間を必要とします。それで「速い」話についていけなくて、周囲から「のろま」だとか、受け身だと思われてしまうことが多いのです(周りの人には彼らの脳の中で行われている情報処理が見えませんから)。

「本質的なものを見出す」人は、形式的なことや皮相的なものを大切とは見なしません。興味がないのです。実はこれがいろいろな場面で役に立ちます。深い内容の話をしているとき、学術的な議論をしているとき、哲学的な記事を読んでいるとき、会議で対策を練っているときなどに役に立つのです。

※第3回:内向型人間が自覚すべき、ストレスを感じる10のポイント


『内向型人間のための人生戦略大全』
 シルビア・レーケン 著
 岡本朋子 訳
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中