自動運転車なら「雪道」でもスリップなしに安全走行できる?
自動運転車はいかにして雪道に立ち向かうか
自動運転車はどのようにして、人間のできるそれ以上に雪道で走行できるようになるだろう?
雪道における安全運転は経験によるところもある。スリップやスピンを経験したドライバーと比べ、新人ドライバーが雪道を運転することはより一層難しいだろう。だが、それは技術が解決できる。自動運転車のセンサーはどれも単体では安全と言えないが、連動することで正確性は確保できる。以下に挙げる4つの技術が、雪道での自動運転車の安全運転の可否を握る。
[1]自動運転車に取り付けられている「3Dマップ」によって、道をどう安全に走るかに備えることができる。多くの自動運転車メーカーは木の位置や標識、車線やカーブなどの詳細なマッピング技術を持っている。車が走っているところをよりよく知ることで、他の車や通行人などの障害物により集中できる。これら3Dマップは晴天下で有効な技術だが、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging:「光検出と測距」ないし「レーザー画像検出と測距」)など他の技術と組み合わせることで雪の日でも機能する。
[2]「LIDAR」は、ビームで障害物を検知することで機能する。非常に正確な技術で雨粒や雪、木や標識の識別が可能だ。雪の日には3Dマップとの組み合わせで、晴天時の地図情報と実際の路面状況を比較する。例えば道が雪に覆われていてもLIDARは車線の検知が可能だ。ビームによる検知で車は停止標識やビルなどの距離を計測し、それから覆われた車線の場所を割り出すことが出来る。フォードはこの車を自社の自動運転車に導入したが、他社もこれに続くだろう。さらに言うと、3DマッピングとLIDAR技術は雨粒や雪が障害物かどうかの判定もできる。レーザーが雨や雪を通過する際、最初はこれを障害物だと判断するかもしれない。だが、アルゴリズムによって、それがどれだけの時間同じ場所にあるかチェックされる。レーザーが同じ雨粒を2度通過することはないため、これは障害物ではないと判断されるのだ。
[3]レーダーは電磁波を使って物体を検知する。LIDARと違い光の反射を伴わないことから、雪や雨の影響をより受けにくい。荒天でも走っている車や通行人、ビルの検知のできるレーダーは自動運転車が安全に走行するのに役立つ。しかし、多くの自動車メーカーはレーダーをフロントガラスの裏に設置している。センサーが車の外に取り付けられた場合、凍りついて使い物にならなくなるためだ。