最新記事

米ロ関係

ロシア、米との核・エネルギー協力停止 「非友好的行動に対抗」

2016年10月6日(木)17時55分

10月5日、ロシア政府は、核・エネルギー関連分野の研究・開発協力に関する米国との協定を停止すると発表した。ウクライナ危機をめぐって米国がロシアに科した制裁に対抗する措置だとしている。写真はロシア・プーチン大統領。モスクワで9月撮影(2016年 ロイター/Ivan Sekretarev)

 ロシア政府は5日、核・エネルギー関連分野の研究・開発協力に関する米国との協定を停止すると発表した。ウクライナ危機をめぐって米国がロシアに科した制裁に対抗する措置だとしている。3日には余剰な兵器級プルトニウムの廃棄に関する米ロ協定を停止すると発表したばかり。

 ロシア外務省は声明で「米国の非友好的な行動に対抗する措置だ」と強調した。

 ロシア政府は同じ理由で、国営原子力企業ロスアトムと米エネルギー省によるロシアの研究炉に関する共同研究も打ち切ると表明した。

 米国務省のトナー報道官は同日、ロシアから正式な通告は来ておらず、報道されていることしか認識していないとしたうえで、「報道が正確なものだとすれば、両国の利益にかなう重要な問題に関する協力を一方的に停止するロシアの決定は遺憾だ」と語った。

 ロシアのプーチン大統領は3日、余剰な兵器級プルトニウムの廃棄に関する米ロ協定を停止する大統領令を発表。この直前には、米国務省のカービー報道官がシリア情勢の打開に向けたロシアとの協議を中断することを明らかにし、ロシア側が停戦合意における義務を履行しなかったと批判していた。今後、ウクライナ危機やシリアの内戦をめぐる米国との駆け引きでロシアが核軍縮問題を切り札に使う可能性があるとみられている。

[モスクワ 5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ワールド

トランプ氏、中国による戦略分野への投資を制限 CF

ワールド

ウクライナ資源譲渡、合意近い 援助分回収する=トラ

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 5
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中