アウトバーンが修繕時期を自己診断 事故も未然に防ぐスマートブリッジ10月導入
自動車の安全性をインフラから改善
自動車メーカーが自動運転車の製造に注力するなか、交通プランナーは「自動車を指示し、これらとコミュニケーションをおこなうインテリジェントな道路インフラ」を開発しようとしている。自動車‐インフラ間(Vehicle-to-Infrastructure, V2I)および自動車‐自動車間(Vehicle-to-Vehicle, V2V)コミュニケーションの導入および試験、のためのプラットフォームを作り出すのがドイツ政府の狙いである。
プロジェクトでは主にレーダーセンサーが使われており、Infineon社製の「77GHzマイクロチップ」によってコントロールされている。これらはすでに全体的なドライバーアシスタントシステムの一翼を担っており、ここ数年で「車間の維持」や「緊急自動ブレーキ」などで実績がある。これで、自動車に付いているセンサーが壊れたときでも、スマートブリッジ上を走行する自動車に対し緊急停止をガイドすることができる。
ある車が緊急停止をする場合は周りの車にも信号が送られ、安全な車間距離が確保されるようになる。これが車の流れに影響を及ぼさないように行われるのは、言うまでもない。
多くの企業がこのルートでの新技術の試験に興味を示しており、アウディやメルセデス・ベンツ、BMWなどはすでにオンボードコンピュータを使って、混雑するA9上で車を行き来させている。高速道路のコミュニケーションネットワークも同じく試験に入っており、先ほど紹介したA9上を走る車がリスクのあるドライビングをおこなう前に警告を発するシステム等がこれに含まれる。
【参考記事】自動車はどこまで自動化すれば自動運転車になる?
また、Communication Systems and Continental社にFraunhofer Research Institutionは、ある車が故障しそうなときにその状況を後続車に伝えることができる技術を提供している。こういった機能の狙いは、ドライバーに差し迫る危機を伝え、他のルートを提示することである。
プロジェクトが完成すれば、Siemens社とInfineon社は全テストデータをオープンソースフォーマットでリリースする予定だ。「自動車業界やデジタル分野、科学コミュニティなどがこれらデータを使い、よりイノベーティブな交通ソリューションを生み出すことが我々の狙いだ」と、語るのはSiemens Mobilityのテクノロジーインキュベータを務めるマルクス・ズウィック氏だ。
「インテリジェント・アウトバーン」でどのようなイノベーションが起こるのか、興味深い。