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中東サウジアラビアのヌアイミ石油相が退任、国営石油会社会長が新エネルギー相に
新エネルギー相ファリハ氏は低価格で市場は均衡すべきと判断、現在の政策を維持か
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5月7日、サウジアラビアは国営石油会社サウジアラムコのファリハ会長(写真)を新たにエネルギー相に任命したと発表した。1995年以来務めてきたヌアイミ石油鉱物資源相の後任となる。サウジアラムコCEOだった2014年5月撮影(2016年 ロイター/File Photo)
サウジアラビアは7日、国営石油会社サウジアラムコのファリハ会長を新たにエネルギー相に任命したと発表した。1995年以来務めてきたヌアイミ石油鉱物資源相の後任となる。
サウジでは現在、経済・エネルギー政策担当のムハンマド副皇太子が主に石油政策を策定しているため、閣僚交代で政策に大きな変更はないとみられている。
経済政策をめぐる他の主要閣僚の交代も発表しており、石油担当相の交代はサウジが現在進めている石油政策強化の一環とアナリストは指摘している。
エナジー・アスペクツのシニアアナリスト、リチャード・マリンソン氏は「石油政策はヌアイミ氏個人ではなくサウジとしての政策。ファリハ氏は、低価格を通じて市場は均衡する必要があると判断しているようだ」と指摘。サウジは市場の回復を待つ余裕を有していると公言していることから、ファリハ氏は現在の政策に満足していることがうかがえる、との見方を示した。
省の名称は、新たにエネルギー・産業・鉱物資源省に変更され、電力省の政策も担う。ファリハ氏は保健相を辞任する。
ヌアイミ氏はサウジアラムコのトップを務めた後、石油相に就任しており、ファリハ氏は以前から後任候補とみられていた。
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