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財政破綻人口半減で破産したデトロイト
破産法を申請するか、年金支給を停止するかの選択を迫られた
遠景にGMビル かつての世界自動車産業のメッカも、今は寂しい Rebecca Cook-Reuters
デトロイト市が財政破綻した。政治家がライバルの財政政策を批判するときに使うような誇張表現としての「破綻」ではない。自動車の街として世界的に知られてきたミシガン州のこの都市は、米連邦破産法9条の適用を申請し、まったくもって紛れもなく破綻したのだ。
負債総額は推定180億ドルで、米自治体の破綻としては史上最大だ。大都市が破綻するのは込み入った問題を抱えたときだが、デトロイトが破綻した理由は実に単純で分かりやすい。
デトロイトの50年当時の人口は185万。それが70年には150万人に減り、90年には100万人になり、10年には71万人にまで減少した。ここまで人口が減れば税収も減り、立ち行かなくなることが多くなる。景気の良かった時代を基準に設計された年金制度も、うまくいかなかくなる。
年金支給を停止すれば破綻は避けられる。だがデトロイトのような大都市で解決策をその点に頼れば大変な問題が起こり、年金を受ける権利のある人たちが大混乱に陥る。
財政問題を解決するには、今回のような破綻申請しかなかったということだろう。
© 2013, Slate
[2013年7月30日号掲載]