ツイッターが変える日中の未来(2)
たった140字のリアルタイムな「つぶやき」が社会を変える! 日中両国でトップーユーザーとして活躍する津田大介氏と安替(アンティ)氏が語るツイッターと世界の未来
日本や中国の社会を少しずつ変え始めたツイッター。日中両国でトップユーザーとして活躍する津田大介氏と安替(アンティ)氏の対談第2回は、現実の社会活動でツイッターをどう活用すべきかについて議論が盛り上がった。「政治家ツイッターランキング」とは何か。 「ツイッター5原則」って?
(編集部・長岡義博、通訳は北京在住ジャーナリストのふるまいよしこ氏)。
「日中トップツイッター対談」第1回はこちら
津田:安替さんにお聞きしたいのですが、中国の生の情報を得るのに効果的なサイトはどこですか?
安替:まず中国語を学ぶ必要がありますね(笑)。言葉の問題がなければ、中国人ツイッターの影響力を知るうえで一番いいのはtwibase.com。中国の影響力のあるツイッターユーザーがランキングされています。私は4位。ちなみに蒼井そらさんは22位(笑)。
言葉の壁を乗り越えるためには、中国のツイッターで話題になっている情報を日本語に訳してダイジェストで発信する場があるといいと思います。このような場は英語の世界では既にかなりつくられている。もっとも肝心なのですが、今や欧米の記者は人民日報を見ずツイッターで情報を取っています。
津田:3年間ツイッターを使って来て感じたのは、現実社会と結びつける力に満ちているということ。その力の源泉はどこにあると考えますか。
安替:既存メディアとツイッターの違いはツイッターが140字というシンプルなメディアであること。そのことがツイッターを「行動するメディア」にしている。ツイッターで大事なのは「行動する」「抗議する」「写真を撮る」「コメントする」という4原則です。一般人であれメディアの記者であれ、こうやって行動することでパワーにつながっていく。
中国人はツイッターと海外メディアとの距離がとても近いと感じている。農民の一言がニューヨーク・タイムズの1面に載るのは日本では非現実的かもしれませんが、中国では現実なのです。去年、福建省アモイの1人のツイッターユーザーが警察に捕まり、隙を見てSOSを出したらツイッターで大騒ぎになってニューヨーク・タイムズが1面で取り上げ、警察が2週間後に釈放したという事件がありました。
津田:そういうことが可能なのはツイッターがオープンだからでしょうか。
安替:オープンというだけでなく、全世界が中国の市民社会に注目しているからだと思います。
津田:そういうところはQQ(編集部注:中国でユーザー数が圧倒的なインスタントメッセージ・サービス「テンセントQQ」のこと)とは違いますね。
安替:国際メディアはQQにはまったく興味を持っていません。ツイッターは行動メディアというだけでなく、「情報のテコ」の役割を果たすメディアでもある。