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中国「タレ込み」の70%が報復される恐怖
順調な経済成長を続ける中国だが汚職の広がりは深刻で、09年に収賄や横領で立件された公務員の数は4万人以上に上る。国民の不満を解消するため、検察当局は昨年6月、全国統一の「タレ込み」専用電話を開設。1年間の通報件数は29万件に上ったが、通報者の約70%が何らかの形で相手から報復を受けたという。
地元紙の法制日報によると、報復は口頭での侮辱や暴行といった違法行為だけでなく、人事権を行使した降格や解雇など、一見合法的なやり方も横行。河北省では、ある村の幹部が土地強制収用の補償費をだまし取ったと通報した中学教師が、共産党員の党籍を剥奪され拘置所に監禁された。
検察当局によれば、02年以降減り続けていた告発件数は、専用電話の設置によって09年には増加に転じた。しかし報復の恐怖は、国民の間に芽生えた勇気を萎えさせてしまう。「通報者を保護する法律の成立を急ぐ必要がある」と、深セン大学法学部の鄒平学(ツォウ・ピンシュエ)教授はあるシンポジウムで述べた。
昨年、広州市の小学1年の女児がテレビの取材に「将来は汚職官僚になりたい。何でも手に入るから」と答え衝撃を与えた。対策を急がないと、中国は今以上に腐敗官僚が蔓延する国になりかねない。
[2010年7月 7日号掲載]