「身の回りは私の鏡」──自分が分からなくなった時にこそ、「5人」が重要な理由について
心や胸というと、心臓あたりのイメージですが、腹というと胃より下、おへそのあたりをイメージします。おへそのあたりは、道教の用語で「丹田(たんでん)」と言います。体の中心、それもエネルギーの集まる場所を指します。
私は小さい頃、日本舞踊を学んでいました。そのときに、腰を低く落として丹田に力を入れることを教わりました。丹田に力を入れると、体が安定し、フラフラしにくくなります。武道や伝統芸能の世界では、腰を落として重心を安定させるために、丹田の場所を意識させることが多いです。
おへその3センチほど下あたりを意識して、座ってみてください。お腹を膨らませるのではなく、ぐっと力を入れて、その力を下に引き伸ばすような感覚です。そうすると、自然と腰や背中が伸びて、姿勢がよくなります。
ヒールのある靴を履く方は、歩くときに丹田を意識してみてください。きっと上半身が定まり、美しい姿勢をキープしたまま歩けると思います。
「腹に落ちる」という言葉は、丹田のことを指しているのではないかと思うのです。「体のバランスやエネルギーを司る部分に、理解が落ちていく」ということです。
まだまだ未熟である自分、こうしたら良いのはわかっている、しかしながら直感的/感情的にそれを拒否している自分......。あるいは、感情的には理解しているけれど、ロジックでは無理だと決め付けている自分......。
そんなふうに感じてしまう自分の状況を受け入れる、ということです。丹田で納得することは、頭で論理的に納得することとは大きな違いがあります。
頭で理解し、胸で感じ、腹に落ちる。そのプロセスには、アイデアの言語化、自分の心身の観察、そして他者理解までもが含まれているはずです。「腹を括った」ならば、あとは、前を向いて進むだけです。
身の回りの5人は私の鏡
あなたの周りに、真似してみたい話し方をする人はいますか? 少し考えてみてください。あなたが言葉の使い方の理想や目標とするような人は周りにいるでしょうか?
ロジカルに話をする人。エモーショナルに話をする人。丁寧な言葉を使う人。気さくな言葉を使う人。言葉の使い方、思考の言語化の仕方は、周囲に伝染します。
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