最新記事

ドラマ

「あの広告看板の女性は誰?」──謎の美女に憧れた女優がついに本人直撃

The Original Influencer

2022年06月10日(金)14時36分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
エミー・ロッサム

フェミニストの道を開いたアンジェリンは「自分に忠実に生きている」とロッサム DIMITRIOS KAMBOURIS/GETTY IMAGES

<1984年のロサンゼルスでは誰もが知っている巨大広告看板に描かれた、謎の金髪セクシー美女「アンジェリン」。彼女は何のために自分の広告を出していたのか? 「元祖インフルエンサー」を演じたエミー・ロッサムがドラマを通じて語る>

1984年に出現して以来、謎の多い巨大な広告看板シリーズがある。そこに描かれた金髪のセクシー美女はロサンゼルスで超人気だった。

「元祖インフルエンサーね」と言うのは女優のエミー・ロッサム。彼女はドラマ『アンジェリン』で看板の美女アンジェリンを演じている(米動画配信サービスのピーコックで5月19日から配信中)。「彼女はああやって、みんなの注目を一身に浴びた。キム・カーダシアンやパリス・ヒルトンよりもずっと先に」

アンジェリンへのロッサムの興味は13歳の時から。「『看板の女性は誰?』と人に尋ねると、誰もが違う答えをした。それで、一層引かれた」

このドラマでは、アンジェリンの自己プロデュース力の高さがうまく再現されている。「アンジェリンは自身のイメージに、どんどん新しい価値を加えていく。それを自分でやってのける。そこがすごい」とロッサムは言う。

アンジェリンは歌手で女優、モデルでもあるが、とにかく謎めいていて、だからこそ人を引き付ける。「ピンクのコルベットを乗り回す彼女に会えると、みんな大喜びして、今日は運がいいぞと思ったりする。そんな人、ほかにいる?」と語るロッサムに、本誌H・アラン・スコットが聞いた。

◇ ◇ ◇


――アンジェリンに初めて会ったときの印象は?

彼女は約束の時間に来たけど、話が終わったのは予定の1時間後。話に入る前に、集まってきた人たちに自分のグッズを売りまくっていたから。で、それから私に、「なんでまた私の役を?」って。

――彼女について知られている話が、あなたの演技に影響を与えたことは?

ほとんどない。そういう話は、たいてい話をする人の勝手な解釈でしょ。私としては、彼女は独立独歩のフェミニストだと思っている。

――ドラマの1話目で、アンジェリンは「自分は一個の芸術作品で、完璧に実現されている」と言った。あれは自信の表れか、それとも幻か。

彼女はね、実は鏡のような存在なの。だから、そこに見えるのは私たち自身の何か。そして彼女には、自分の内にあるものを外面にさらけ出す勇気がある。そこがすごい。

――アンジェリンはフェミニストなのか。

フェミニストはこうあるべき、こうするべき、みたいな考え方は古すぎる。自分の体は自分のもの、女らしさをどう表現するかも自分で決める。それがフェミニズム。それでいいんだってことを、アンジェリンは身をもって、私たちのために示してくれた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、北朝鮮の金総書記と「コミュニケーション

ビジネス

現代自、米ディーラーに値上げの可能性を通告 トラン

ビジネス

FRB当局者、金利巡り慎重姿勢 関税措置で物価上振

ビジネス

再送-インタビュー:トランプ関税、国内企業に痛手な
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    「なぜ隠さなければならないのか?」...リリー=ロー…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…

  • 3

    「日本のハイジ」を通しスイスという国が受容されて…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「なぜ隠さなければならないのか?」...リリー=ロー…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:引きこもるアメリカ

特集:引きこもるアメリカ

2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?