アメリカの大学生が選ぶ、年収に直結する学部とは?
大学生に人気の専攻は年収と直結している
専攻選択が自由なアメリカの大学では、卒業後の年収が高い専攻に人気が集中する傾向があります。学位取得者数によるアメリカの大学生に人気の専攻ランキングトップ5は以下の通りです。
1.ビジネス(会計学、経営学、財務など)
2.医療実務(看護学、栄養学、公衆衛生学など)
3.社会科学(心理学、政治学、経済学など)
4.エンジニアリング(機械工学、建築学など)
5.生物科学(医学、化学、生物学など) (参照:National Center for Education Statistics 2018)
ビジネス関連の専攻で卒業した学生数は全体の19%でトップでした。ビジネス専攻に人気が集中する理由は、卒業後の「年収」に直結するからです。
大学生のキャリア情報サービスを提供するNational Association of College and Employerの集計(2019年)によると、ビジネス学位取得者の新卒平均年収は5万7,657ドル(約628万円)でした。
さらにビジネス専攻で一番人気のペンシルバニア大学の新卒平均年収は9万1,353ドル(約996万円)という驚愕の数字となっています。ペンシルバニア大学を含むビジネストップ5大学の新卒平均年収は8万5,000ドル(約926万円)という高額な数字となっています。(参照:Poets&Quants 2019)
ちなみにペンシルバニア大学のビジネス学部であるウォートンスクール卒業生の就職先リストには、ゴールドマンサックスやJPモルガンなどの投資銀行、マッキンゼーやボストンコンサルティンググループなどのコンサルティング会社、グーグルやFacebookなどのIT関連会社など、世界トップ企業が名を連ねます。
アメリカの大学は学費が高いことで知られていますが、年収に直結する専門性が高い学位を取得できれば、キャリア形成の早い段階で取り返せる可能性が高いというわけです。
STEM関連の学位がこれからの狙い目?
今アメリカの学生の間で注目されているのがSTEM関連です。STEM関連は人材不足のため賃金が急伸している分野ですSTEM関連の学位をトップ大学で取得できれば、世界中の企業から引く手あまたです。
ではSTEM関連の専攻とは具体的に何なのかを賃金水準(年収平均)の高い順に見てみましょう。以下はNational Association of Colleges and Employersによる学位別平均年収(2019年)の調査結果です。
エンジニアリング 6万9,188ドル(約754万円)
コンピューターサイエンス 6万7,539ドル(約736万円)
数学及び科学 6万2,177ドル(約677万円)
エンジニアリングはさらに電気系、機械系、化学系に分かれます。電気系はパソコン、スマートフォンなどの電子技術を用いた製品の開発、製造に関わったり、電気を工場や家庭に共有するシステムを開発したり製造したりします。就職先は公的機関や電気・電子メーカーです。
機械系エンジニアリングは家電製品、自動車、産業用機械などの機械製品の研究開発や製造を行います。就職先は機械系のメーカーや建設会社などです。
化学系エンジニアリングはプラスチック製品、合成ゴム製品、化粧品、医薬品などの化学製品や食品などの研究、開発、製造に関わる仕事です。就職先は医薬品や化粧品メーカーや化学プラントなどです。
コンピューターサイエンスはソフトウェア開発、システムエンジニアなどプログラミングに関わる技術職です。勤務先はコンピューターメーカー、ソフトウェア開発会社、ゲーム会社、情報処理サービス会社などです。