地中海式ダイエットの食事法が女性の脳卒中リスクを下げる? 研究結果
40歳以上の女性の脳卒中リスク軽減に?
そんな地中海スタイルの食事法は、40歳以上の女性限定ではあるが、脳卒中のリスクを低下させる可能性があるという見解が、アメリカ心臓協会(AHA)により発表され、科学系ニュースサイト、サイエンス・デイリーに掲載された。
イーストアングリア大学、アバディーン大学、ケンブリッジ大学の研究者は、魚、果物、ナッツ、野菜、穀類、ジャガイモを多く摂取し、肉を控えめにするという典型的な地中海スタイルの食事法を研究対象にした実験を行った。
40歳から77歳の男女23,232人に対し、17年間に渡って行った研究で、地中海スタイルの食事法をどの程度まで実践するかによってグループ分けし、脳卒中になるリスクを調べ、ランク付けした。
結果として、地中海スタイルの食事法を最も取り入れたグループにおいては、女性の脳卒中発症が少ない傾向がみられたという。この中には心血管疾患のリスクが高い女性も含まれていた。
男性は女性ほど恩恵が得られなかった理由はまだ解明されていないが、研究者は、ダイエット法は性別によってアプローチが異なるように、脳卒中のタイプに性差があるという可能性を示している。
この結果を踏まえ、アメリカ心臓協会(AHA)は、果物、野菜、全粒粉、低脂肪乳製品、魚、家禽類、豆類、ナッツといった食材を多くとる地中海スタイルの食事法は、心臓と脳の健康を維持する食事パターンになりうると推奨している。
そもそも地中海沿岸に住まう人たちは、旬の食材を大事にしつつ、質素な食事を是とする食文化を有する人たちだという。この価値観は我々日本人の食生活にも相通じるものがある。
ちょうど日本ではサンマの美味しい季節である。肉より魚、旬の素材でのシンプルな食事を見直したくなる。そのひとつとして地中海式を取り入れてみるのもいいかもしれない。
【参考記事】「パスタは食べても太らない」──カナダ研究