最新記事

対談

がん診断に欠かせない病理医とは? 病理学を知るとどんなメリットが?

2019年9月6日(金)11時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

仲野 ただ、本を書いて思ったのは、ことばの使い方の難しさ。だけども、そこをなんとかしないとどうしようもない。専門用語を他の言葉に置き換えることはどうしても不可能だから、この手の本を何冊か読んで、慣れていってもらうしかないかもしれませんね。

その意味では、この本はこれだけイラストが入っているから取っつきやすいですよね。これ全部、先生が自分で描かれたんでしょ? カラーで本職の人が描いたとかじゃなくて、本格的なイラストじゃないところが、一般の人にはいいんじゃないですかね。あ、これ、褒めてます。念のため(笑)。

小倉 ありがとうございます(笑)。実は最初は全部、写真を入れていたんです。カラフルながん細胞の写真を、いっぱい選んでいたんですよ。私は自分が顕微鏡をのぞいてウキウキするタイプなので、みんなもそうだと思っていたんですが......周りの人とか出版社の人とか、ほとんど全ての方から反対されて、そうか、みんな顕微鏡写真でわくわくしたりしないし、そもそもどこを見ていいのか分からないのだと気付きました。

仲野 私の本は、できるだけ面白く書いてくれと言われたので、かなり脱線した内容になっているんだけど、なんであんなに売れたのかは分からない(笑)。売れると分かっていたら、もっといろいろやりたかったのに、とも思うけど、まぁ、売れたからいいですかね。でも、学者や医者が真面目なことばっかり書いたら、やっぱり一般の人はついてこられないでしょうから、結果的に良かったのかなとは思いますね。

小倉 私も、顕微鏡写真をいっぱい入れたら医学専門書まっしぐらだと言われて、それは困る、と思ったんです。やっぱり、一般の方に読んでもらえるように書いてきましたから。仲野先生の本が売れたおかげで、こういう本が書店の一般書コーナーに置かれるようになったそうで、おかげさまで便乗させていただいています(笑)。

でも、興味のある方は、がん細胞を別の何かに見立てて写真を並べたページを少しだけ残してもらっているので、ぜひ見てみてもらいたいですね!


おしゃべりながんの図鑑――
 病理学から見たわかりやすいがんの話
 小倉加奈子 著
 CCCメディアハウス

※『おしゃべりながんの図鑑』には、この対談とは別の仲野徹氏との対談も収録されている。


こわいもの知らずの病理学講義
 仲野 徹 著
 晶文社


ニューズウィーク日本版 ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月24号(2月17日発売)は「ウクライナ戦争4年 苦境のロシア」特集。帰還兵の暴力、止まらないインフレ。国民は疲弊し、プーチンの足元も揺らぐ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アングル:米相互関税無効判断、企業への返還までには

ワールド

ルビオ米国務長官、カリブ海諸国指導者らと域内の安保

ワールド

米上院民主党、違法判決の関税返還義務付ける法案を提

ビジネス

トランプ関税違憲、流通・小売企業が還付受けられない
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面を突き破って侵入する力の正体が明らかに
  • 4
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 5
    ペットとの「別れの時」をどう見極めるべきか...獣医…
  • 6
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 9
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 10
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中