将来的なSDGsアクションの担い手を育成...ベネッセコーポレーション「全国小学生『未来』をつくるコンクール」の意義
昨年行われた第20回「全国小学生『未来』をつくるコンクール」表彰式の様子
<SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」のターゲットの一つに、「教育を受けるすべての人が、持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技術を身につけられるようにする」とある。ベネッセコーポレーションは、子どもたちの無限の好奇心や思考力、表現力を伸ばし育むためのコンクールを20年以上開催し続けている>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
小学生に気づき、考える機会を提供──将来SDGsに貢献できる人材を育成
1950年代から教育に関する事業を幅広く展開してきたベネッセコーポレーション。同社はSDGsへの貢献の考え方について、「SDGsの目標4『質の高い教育をみんなに』を軸に、すべての課題で解決に寄与する人材を育成していく」と表明している。「全国小学生『未来』をつくるコンクール」は、そうした姿勢を体現した取り組みの一つだ。
小学生商品開発部の久保川洋一氏は、「これからの社会創りの担い手である子どもたちが身近な課題に気づき、考える機会となり、将来的にSDGsの目標達成につながるアクションを起こせる人材を育成・輩出することを狙った取り組みです」と語る。
このコンクールは、ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクである「ベネッセ教育総合研究所」が「進研ゼミ小学講座」「ベネッセグリムスクール」「ベネッセビースタジオ」「ベネッセの学童クラブ」と共に、全国の小学1~6年生を対象として毎年夏に開催しているものだ。
部門は多岐にわたる。2024年の夏に実施された第21回コンクールでは、未来に向けて豊かな自然を残すべく「環境」に関するテーマに特化した環境部門と、作文・絵画・自由研究の各部門のほか、新たに加わった英語スピーチ部門の計5部門が設置された。
3〜6年生が対象の環境部門は学齢ごとで異なるテーマが設定されており、3年生は「発見!エコほうこく!」として自分らしいユニークな視点での気づきを、4~6年生では「きみのエコ活動報告」として自分が環境問題にどう関わるかを具体的に考え行動するかをまとめたレポートが課題となっている。