最新記事
SDGsパートナー

廃棄プラスチックを担架に! 「環境に配慮した防災グッズ」を開発する和光紙器の使命

2024年10月1日(火)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
和光紙器の防災グッズ

和光紙器の防災グッズ。右から時計回りにWAKOH式段ボールトイレ、WAKOH式段ボールベッド、携帯トイレ:POLET、ポリエコレン担架

<担架に携帯トイレ、避難用ペットケージまで...使いやすく、環境にやさしい防災グッズの開発・商品化を進めている和光紙器。製造業向けの包装資材を取り扱う同社が、環境に配慮した製品の開発に積極的に取り組む理由とは?>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

2024年元日の能登半島地震、8月には南海トラフ地震臨時情報が発令されるなど、防災に対する関心が特に高まっている昨今。和光紙器株式会社は長年包装資材を提供してきた技術力と環境意識を活かした防災グッズの開発に注力している。同社が新たな製品の開発に力を入れる理由とは──。

緊急時に使用する製品であっても環境に配慮

埼玉県川口市に本社を置く和光紙器は、1962年の設立以来培ってきた段ボール加工技術を基盤に、環境にやさしい製造業向けの包装資材の開発に注力してきた。こうした技術力と環境意識を結集し、近年は防災グッズの開発に取り組んでいる。

その一つが、サーキュラーエコノミーの仕組みを取り入れた環境配慮型包装資材であるポリエコレンを応用して開発した「ポリエコレン担架」だ。

ポリエコレンは廃棄プラスチックを主原料とし、資源を循環させながら製造される素材。使い終わると再びリサイクルされ、何度でも使用できるため、CO2の排出削減に繋げることができる。

newsweekjp_20240930025429.jpg

廃棄プラスチック×卵殻を掛け合わせて開発した環境配慮型ハイブリットマテリアル「ポリエコレンバイオマス」

また防災グッズの開発にあたっては、準備がしやすいか、コスト効率は高いか、緊急時に便利に使えるかを大切にしているという。例えば、段ボールでつくられたベッドやトイレは、環境への負荷を最小限に抑える素材を選んだ上で、コンパクトに収納できるよう設計。「携帯トイレ:POLET」は、持ち運びのしやすい手のひらサイズで、緊急時はもちろん、日常の外出時にも使える製品となっている。

「当社は地方自治体と防災協定を結び、地域の人々が緊急時に使用する製品にも環境への配慮を欠かしません。段ボール加工技術とポリエコレン技術の融合により、災害時に必要とされる製品も、使いやすさと環境への配慮を両立したものに仕上げています」と、代表取締役の本橋志郎氏は語る。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平案、ロシアは現実的なものなら検討=外

ワールド

ポーランドの新米基地、核の危険性高める=ロシア外務

ビジネス

英公的部門純借り入れ、10月は174億ポンド 予想

ワールド

印財閥アダニ、会長ら起訴で新たな危機 モディ政権に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家、9時〜23時勤務を当然と語り批判殺到
  • 4
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    クリミアでロシア黒海艦隊の司令官が「爆殺」、運転…
  • 8
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 9
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 10
    70代は「老いと闘う時期」、80代は「老いを受け入れ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中