最新記事
SDGsパートナー

「サンゴに優しい日焼け止めを作りたい」...海にも肌にも優しい「feel coral サンプロテクト ミルク」がハリウッドで生まれた背景とは?

2023年12月25日(月)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
パラオのサンゴ礁とクマノミ

パラオのサンゴ礁とクマノミ jbutcher- shutterstock

<「美容を通じた社会貢献」という創業理念を追求していたら海洋環境を守る商品が生まれた...。社会的価値と経済的価値は両立できる>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

サンゴ礁は海洋生物の住処であり、多様な生態系をつくっている。なぜ化粧品メーカーが「海を守る」という理念を掲げるのだろうか。そこには創業理念と現社長の思いがあった...。


世界のサンゴ礁の総面積はおよそ60万平方キロメートルにもわたり、海洋生物の約25%、数にしておよそ9万種が暮らしている。しかし現在、温暖化や生物資源の乱獲、そして海洋汚染によって、サンゴ礁が白化・壊滅する「白化現象」に見舞われている。

そのサンゴの白化現象に私たちが直接関わっている海洋汚染の原因の1つが、実は「日焼け止め」と言われている。「オキシベンゾン」「オクチノキサート」など日焼け止めに含まれている化学物質がサンゴを白化させる原因になっており、パラオでは2020年、ハワイでも2021年からこれらの物質を含む日焼け止めは、すでに流通と使用が禁止されている。

それでは日焼け止めを製造するメーカーでの動きはどのようになっているのか?

大学時代に海洋学を学んだ社長の発案だった

newsweek_HW1-20231208.jpg

「feel coral サンプロテクト ミルク」は「サンゴに優しい日焼け止め」というコンセプトだけでなく、環境に配慮したパッケージを採用。人気アーティスト・糸川優氏のイラストが映える。

実はサンゴを含む海洋環境に配慮した商品の開発はすでに日本でも進んでおり、化粧品会社のハリウッドは2023年に「feel coral サンプロテクト ミルク」として商品化している。

「サンゴや環境に悪影響を与える可能性のある原料を使わずに、日焼け止めの効果や化粧品としての使用感を損なわない処方を研究しました」と商品開発部グループリーダーSHUJI氏は語る。

世界で規制が始まっている「オキシベンゾン」「オクチノキサート」などの化学物質だけでなく、鉱物油、アルコール、防腐剤、香料も不使用。代わりに植物性スクワラン、ホホバオイル、コメ胚芽油、ヒアルロン酸Naなど美容保湿成分を配合しながら、紫外線防止(SPF43 PA+++)とウォータープルーフという日焼け止めの基本性能も確保することに成功。

当然、パラオやハワイにおける日焼け止めの成分基準をクリアしているだけでなく、普通の洗顔料でも落とせる肌にも優しい日焼け止めは白浮きせず、普段使いの化粧下地としても使用できる。

この「feel coral サンプロテクト ミルク」の商品化は世界の動きに連動するように2020年に社内で提案化されたものであるという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中