韓国人は7割が「完璧主義者」!? 競争社会で「成果を上げる人」と「ストレスで潰れる人」の違い
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<過酷な競争社会・韓国で支持を集める「不適応的完璧主義」な自分を変える方法。「成果を出しやすい人」になるマインドセットとは>
日本よりも、受験や就活の競争が激しい韓国。それゆえか、「完璧主義」の傾向が強いようだ。
だが昨今、完璧主義にはネガティブなニュアンスが付きまとう。例えば職場においては、長時間労働や残業が忌避され、完璧を追求するスタイルは評価されにくい。本人にとっても大きなストレスになりがちだ。
一方、完璧を追い求めることが、時に期待以上の大きな成果をもたらすのも確かだ。完璧主義は必ずしも悪いことではない。
では、同じ「完璧主義」でも、ストレスや精神的な重荷になってしまう人と、期待以上の成果を上げる人の違いはどこにあるのだろうか?
42歳でパーキンソン病を患い、30年以上にわたり多くの患者を診察してきた精神科医キム・ヘナム氏は、「完璧」よりも「最善」を目指すことが重要だという。
キム氏は昨年、「年甲斐」「分別」「大人げ」「責任」といった、大人だからこそ背負わされてしまう「生きづらさ」を解きほぐす心理学の知恵を集めた著書を出版した。「感情の取り扱い説明書」とでも呼ぶべきその本は、韓国で20万部を突破するベストセラーとなった。
このたび発売された邦訳版『「大人」を解放する30歳からの心理学』(CCCメディアハウス)から、一部を抜粋し紹介する。
※本書からの抜粋第2回:老後の知恵...「断れない人」「すぐ謝る人」が「雑に扱われない人」になるために絶対すべきこと
韓国就活サイト「ジョブコリア」が会社員の男女1176人を対象に、ある出版社と共同で行ったアンケート調査の結果によると、「職場では完璧さを追求する」と答えた人の割合は67.2%、「完璧主義で成果は上がると思うか?」という質問に「はい」と答えた人の割合も61.3%で、過半数を超えることが明らかになった。
これは会社員10人のうち7人近くが完璧さを追求し、完璧主義は仕事においてプラスに働くと考えていることを物語っている。
人は誰しも優れた人間になりたいと願うものだ。しかし韓国のような厳しい競争社会では、小さなミスも命取りになるという理由からミスできず、人より優れていなければ生き残れないという発想に至るわけで、現代人にとって完璧主義は、誰もが目指すゴールであるとともにストレスだ。
さらに、小さい頃から絶えず兄弟姉妹や友人たちと比べられ、「どうしてあの子みたいにできないの?」、「お姉ちゃんを見習いなさい」、「親に恥をかかせるな」といったネガティブな言葉を多く浴びせられて育った人たちは、実績に対する客観的評価とは関係なく、「自分は至らない」という自己認識に苦しめられる。
世の中には自分より優れた人が山ほどいて、彼らの存在がしきりと自らの至らなさを思い知らせてくるからだ。
そのため自分には至らない部分が多すぎると考えている人たちは、自分の有能さを証明し、認められようとして自分を追いこむ。
ところが、当の本人たちに自分を過度に追いこんでいる自覚はない。それどころか自分は他の人たちと比べて、大それた野望を抱いているわけでもなければ、壮大な夢を描いているわけでもないと言い張るのだ。