最新記事
スポーツ

「春はサイクリングの季節」膝の負担も少なく身体能力を高められる自転車の驚きの健康効果

2024年4月8日(月)11時28分
書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」 *PRESIDENT Onlineからの転載

【太ももでたくさん「糖」が使われていた】

それを確かめるために、7名の成人男女に同じ心拍数になるように10分間の歩行と自転車運動を行っていただき、運動前後の血糖値を測定しました。

すると歩行では、7名平均の血糖値が運動の前後で約12.0(mg/dL)分減少したのに対して、自転車運動では約16.4(mg/dL)分の減少が見られました。

同じ運動強度なのに、なぜ自転車運動は歩行よりも糖の消費が多くなり血糖値が下がったのでしょうか。

40%の運動強度で歩行と自転車運動をしたときの糖代謝をPET(陽電子放射断層撮影)で捉えた画像では、歩行はあまり糖代謝が活発なところが見あたらないのに対して、自転車運動では太ももでたくさん糖が使われています。

歩行では使う筋肉が分散することで糖代謝がそれほど活性化しないのに対して、自転車運動では太ももの筋肉が集中的に使われることで糖代謝の活性化が進み、糖をたくさん消費して血糖値が下がるのだと考えられます。

※「*」がついた注および補足はダイジェスト作成者によるもの

newsweekjp_20240407103942.jpg

髙石鉄雄著『自転車に乗る前に読む本』(ブルーバックス)

コメントby SERENDIP

主観的な疲労感が強い運動のほうが、疲労感の弱い運動より健康に効果的だと考えてしまう人は少なくないだろう。主観的な感覚と実際の成果との間には、必ずしも直接的な関連性はないという点で、「疲れない」運動のほうが効果的な場合があるということは示唆的だ。

仕事や学習においても、疲労感の強い方法を続けるより、自分の能力や体質にあった、より合理的な方法で適切な休息を取りながら行うほうが効果があがる場合もあるに違いない。さまざまな場面で、「疲れない」方法で最大の効果を得る方法を考えるきっかけにできそうだ。

コンテンツは、㈱情報工場が運営する書籍ダイジェストサービスSERENDIPの一部です。
ダイジェストは、出版社もしくは著者の許諾を得て作成しております。
ダイジェスト本文の一次著作権は、正当な権利を有する第三者に、二次的著作権は㈱情報工場にそれぞれ帰属し、その他のコンテンツの著作権は、全て㈱情報工場に帰属します。
本コンテンツを個人利用以外で許可なく複製、転載、配布、掲載、二次利用等行うことはお断りしております。

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米輸入物価、9月は前月から横ばい 消費財価格がエネ

ワールド

「トランプ口座」は株主経済の始まり、民間拠出拡大に

ビジネス

米11月ISM非製造業指数、52.6とほぼ横ばい 

ワールド

EU、ウクライナ支援で2案提示 ロ凍結資産活用もし
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 6
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中