睡眠6時間が2週間続くと集中力は酩酊状態以下!? 自覚のない睡眠不足による深刻なダメージ
あまり気にしなくていい中途覚醒
睡眠の途中で目が覚めてしまう【中途覚醒タイプ】は、まさに自分のことだと実感される方も多いのではないでしょうか。中途覚醒は、ある程度の年齢になると、ごく自然に起こる現象ですのであまり気にする必要はありません。
【中途覚醒タイプ】
出典=『最高のリターンをもたらす超・睡眠術』
ただ、一度覚醒したら寝つけない状態が続く場合は、知らず知らずのうちに不安や心配事を抱えている可能性も考えられます。メンタルのパワーダウンが、日々の脳のパフォーマンスを低下させるリスクもあります。
このほかにも、毎日の就寝時間がバラバラな【不規則な睡眠タイプ】、夕方や帰宅後につい仮眠をとってしまい就寝時間が後ろへずれがちな【昼寝補充タイプ】、就寝が遅いうえに睡眠時間が非常に短い、いわゆるショートスリーパーの【短時間睡眠タイプ】なども、現代人によく見られる睡眠パターンです。
睡眠調査票の「両端が黒い」ことが理想
睡眠改善のための取り組みを大人と子どもが力を合わせて行うみんいくは、全校生徒対象の「睡眠朝食調査」、個別の「みんいく面談」(保護者とも連携)、全校生徒対象の「みんいく授業」(睡眠の振り返り、睡眠知識の習得、目標設定など)を柱に実践します。私がみんいくに取り組んだのは、当時の勤務中学校でした。
子どもたちは睡眠調査票に書き込んでみてはじめて、自分の睡眠の状態を知ります。こうして毎日の睡眠を記録してみると、当人が思っているほど睡眠時間がとれていなかったり、布団に入っている時間は長くても寝つくのに時間がかかっているなど、自分の「眠り」の問題が見えてきます。
「早く寝なさい」と言うだけでは子どもの心に響きにくいのですが、睡眠調査票の右端と左端のマス目に白が続く状態を一緒に見ながら、「もう少し早く寝て、両端が黒になるといいね」と言うと、子どもにも伝わりやすくなります。たとえたまたまその日だけだったとしても、早く寝て睡眠調査票の両端を黒に塗りつぶせたらうれしくなり、また今日も黒く塗れるように早く寝てみようかと行動が変わっていくのです。
そうやってほんの少し行動を変えてみて、睡眠調査票の両端が安定的に黒く塗りつぶされた理想的な状態が続いたタイミングで、朝起きたらものすごく気分がよかったり、1時間目から勉強に集中できたということが起こったとします。そんなとき、「睡眠って大事なんだな」と実感して、睡眠に意識が向くようになります。
「この日は寝ている途中で二度起きてるんだね、何かいつもと違ったの?」などと問いかけることがきっかけでコミュニケーションが生まれ、子どもの不安や緊張の原因が見えてくることもあります。教師が学校で接しているだけでは察知できない「睡眠のリアル」と「脳と心のリアル」までもが、睡眠を記録することから見えてくるのです。