CEOからの相談で多いのは「悪夢」──悪夢治療がよいリーダーシップを生む
How to Have Better Dreams
悪夢治療の定番はバリー・クラコウとアントニオ・ザドラが開発したイメージ・リハーサル療法(IRT)で、長期改善率は70%とされている。IRTは専門のセラピストを必要としない、効果的な自助のテクニックでもある。以下のエクササイズは20~30分もあればできるので、自宅でやってみてほしい。
❶悪夢や繰り返し見る悪い夢を書き出す 「台本を書き換えたい」夢を書き出そう。複数の悪夢がある場合は、手始めにあまり強烈ではないものを1つ選ぶといい。
❷悪夢を書き換えるタイミングを決める 夢の中で悪い感情が芽生えた後で、かつ悪い出来事が起こる前のタイミングを選ぶのがコツ。1日に数回、書き出した夢を頭の中でリハーサルする。最初の恐怖や怒りと、「新しい台本」に結び付いた感情のイメージを思い描き、できるだけ多くの感情を意識する。
❸別のエンディングを選択する 例えば勝利、幸せ、中立など。大切なのは、それが自分に合っていて、記憶に残る「本物感」があること。家宅侵入の悪夢を消したいなら、セキュリティーシステムが作動して侵入者が逃げ出すイメージがいいかもしれない。
❹書き換えた夢をリハーサルする 1日に数回、ネガティブな感情から、新しいエンディングがもたらす感情までできるだけ多くの感情に意識を向ける。夢を見たときに何を感じるか、具体的に考えよう。安堵? 満足? 歓喜?
悪夢をより穏やかな夢に書き換えられたら、必要に応じて同じプロセスを繰り返す。多くの場合、最初の悪夢を打ち消せば、他の悪夢も見る回数が減ったり止まったりする。起きていても眠っていても脳は習慣を学習するので、悪夢の習慣を学習したのであれば、解除することもできる。
よりよい夢は、よりよい睡眠を意味する。そして、よい夢を見る生活は、認知と感情の両面で人生の助けになることが期待できる。
人々がよく見る学習体験の夢は、学習した情報の記憶強化と相関関係がある。夢が問題解決につながったり、創造性や仕事のイメージを提供してくれるとの報告もある。
夢を改良するには、まず夢を記憶するという意識を持つことだ。眠る準備をしながら、この点について考えておこう。半覚醒状態を利用して、心地よいイメージや意味のあるイメージに集中する。朝になったら、覚えている限りの夢の内容を書き留める。