最新記事

インタビュー

『あなたのセックスによろしく』著者に聞く、フランスのタブー、身体のこと、驚きだった部位の構造

2021年6月11日(金)16時20分
madame FIGARO編集部 ※madame FIGARO.jpより転載
『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』著者ジュン・プラ

『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』著者ジュン・プラ

フランスでいま、大ベストセラーになっている書籍『Jouissance Club(ジュイサンス・クラブ)』の日本語版『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』(CCCメディアハウス)が5月29日に刊行された。

インスタグラムのコミュニティとしてスタートしたジュイサンス・クラブは、ポップなイラストとともにユーモラスにセックスを語り、ティーンから大人たちまで幅広い年齢層が支持。フィガロジャポン7月号「ライフステージで考える、女の身体と100年美容」でもその一部を紹介しているが、すべてのセクシュアリティに平等で、豊かなパートナーシップを築く助けになる新感覚の性のガイドブックだ。著者のジュン・プラに、本書を手がけた背景について話を聞いた。

――私たち日本人から見たフランスは「アムールの国」というイメージがあるので、フランスでセクシュアリティを語ることがタブーで、性教育が不十分であることを知り、驚いています。ジュイサンス・クラブによって、そんな社会に何か変化をもたらすことができたと感じていますか?

愛とセックスについてのフランスのイメージは、世界中で少し理想化されていると思います。性教育の問題、(性交渉に関する)同意について、そして性器の構造についてなど、私たちは非常に遅れているのです。

ジュイサンス・クラブを立ち上げて以来、何千ものメッセージを受け取っています。自分の性器の構造がようやく理解できた、初めてオーガスムが得られた、自分の抱えている問題を初めて表現することができた、さらにそれをパートナーと話し合うことができたなどです。それは、この本によって、自分たちの望むことと必要とすることの間に、懸け橋を築くことができるからです。要するに、自分の身体をよりよく理解し、自分に合わないセックスを繰り返す代わりに、自分の身体に耳を傾けるよう手助けしているのだと思います。

――どういうきっかけで、セックスの問題に取り組もうと思ったのですか?

本当のことを言うと、私は性交渉をする年齢になって以来、セックスが好きだからです。とはいえ、これまでに得たたくさんの男性パートナーの中で、挿入にこだわらないセックスを教えてくれたのはたったひとりです。この出会いは私にとって大発見でしたが、ほかのパートナーには、それこそ私が望んでいることだ、と理解してもらうことができませんでした。

17年経って、あるパートナーに、彼の手でヴァギナのどの部分にどう触れるか説明するために、技術的なデッサンを描くことを思いつきました。続いて、いわば私の身体の使用説明書を作るために、ほかのデッサンも描こう、と思ったわけです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、米国に抗議 台湾への軍用品売却で

ワールド

バングラデシュ前首相に死刑判決、昨年のデモ鎮圧巡り

ワールド

ウクライナ、仏戦闘機100機購入へ 意向書署名とゼ

ビジネス

オランダ中銀総裁、リスクは均衡 ECB金融政策は適
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 5
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中