最新記事

睡眠

良質な眠りは「睡眠1分前の仕込み」で決まる

2019年6月14日(金)15時30分
松尾 伊津香(プロボディデザイナー/ZERO GYMエグゼクティブプログラムディレクター) *東洋経済オンラインからの転載

以前、自律神経の名医と呼ばれる先生とお話しした際に、「眠りにつく前に、入念に準備している」というお話を伺いました。眠りの環境はもとより、明日着る服までしっかりと準備するといいます。その真意を聞いたところ、良質な睡眠をとるために最も大事なのは、「安心して眠れる状態」であることだから、とのことでした。

良質な睡眠を妨げるのは、「不安」や「緊張」です。


・明日起きられなかったらどうしよう
・明日は大事な商談があるけど、何を着ていこう
・明日は早めに出社して、プレゼンの準備をしなければならない
・最近トラブル続きだが、どうしたらいいのだろうか

こういった意識や感情が心身の「安心」を損ね、眠りの質を低下させます。心地いい眠りのために必要なのは、「安心感」なのです。 では、「安心して眠る」状態をつくり出すために必要なのは何か。ポイントは「寝る前の仕込み」です。

寝る前から、安心感をつくるための仕込みを開始しましょう。例えば、寝る2〜3時間前にぬるめのお風呂に20分ほど浸かる、ヨガやストレッチといった軽い運動をするなどして体温を上げておくと、体温が下がるのにあわせて、気持ちよく眠れます。

こうした仕込みが難しくても、最低限、寝る1時間前には、PC・スマホ・テレビなどのスクリーン類を完全に遮断しましょう。画面から発するブルーライトには心身を覚醒させる作用があるからです。

こういった仕込みをすることで、リラックスをつかさどる自律神経・副交感神経が優位になったり、眠りを誘うホルモン・メラトニンの分泌が始まったりするのです。「寝る」とは、布団に入った瞬間から始まるものではありません。

仕込みで行うストレッチ

さらに、「寝る前の1分間」で最終的な仕込みをするといいでしょう。1分間でできる仕込みとは、「首の後ろの詰まりのリセット」と、「閉じた胸の開放」です。それらを可能にするポーズをご紹介します。

まずは、「首の後ろの詰まり」をとるポーズです。今は、顎や首が前に出ている姿勢の方がとても多いです。これは長時間のパソコン仕事などによって首が変形しているためと考えられます。

首は柔軟に動く分、ストレスを受けやすく、とくに首の後ろに詰まりが発生してしまうのです。首の後ろの詰まりというのは、首コリや肩コリの原因になるのはもちろん、首に通る神経を圧迫し、脳への血流を悪くし、頭痛などのさまざまな不調の原因にもなります。

それを改善するのがウサギのポーズです。見た目はなんだかわかりにくいポーズのように感じられるかもしれませんが、一度行ってみてください。とっても簡単です。

しっかりと首の後ろを伸ばすことができ、その伸びに脳の重さ(自重)をかけてくれるので、首周りの筋肉や関節などに溜まったストレスが軽減されます。

さらに、首の後ろの詰まりがとれ、血流を脳に送ることができ、自然と呼吸が深まるなどたくさんの恩恵が期待できます。

toyokeizai190614_01.jpg


【ウサギのポーズのやり方】
1、正座し、おでこを床につけるように前屈します。背骨は丸まってOK!
2、ゆっくりとお尻を持ち上げて、頭頂部を床のほうに向けていきます。このとき、手のひらを床につけておき、首に過剰な負荷がかからないよう注意します。
3、自分の膝の間に目線を向け、「痛気持ちいい」ところで5回ほど呼吸します。頭の位置に違和感を感じたら置き直してOKです。必要があればその都度微調整しましょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン大統領、31万人に学生ローン免除 美術学校

ワールド

米名門UCLAでパレスチナ支持派と親イスラエル派衝

ビジネス

英シェル、中国の電力市場から撤退 高収益事業に注力

ワールド

中国大型連休、根強い節約志向 初日は移動急増
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中