本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこない」重要な存在
Less Disturbing Squid Game
『イカゲーム』で仮面を着けて死闘を観戦するVIPの姿を見ながら、視聴者はばかばかしさを笑うためにリアリティー番組をむさぼる自らの残酷さと向き合うよう迫られる。リアリティー番組の出演者も、実際に生きている人間だ。彼らは視聴者の娯楽のためにもてあそばれる。
確かに、現実の視聴者の「のぞき見趣味」はそこまで倒錯していないし、出演者は参加するゲームの内容をある程度まで承知している。だが基本的にリアリティー番組の視聴とは、不自然な在り方に追いやられて、侮辱や残忍な扱いに耐える人々の姿を眺める行為だ。
それでも、倫理的に微妙な部分も含めて、リアリティー番組は面白い。誰だって人間だ。人間ならではの欠点のオンパレードに夢中になるのが悪いことか。D級インフルエンサーやエルメスで身を固めた主婦たちの喜劇や悲劇を欲しがってはいけないのか。
リアリティー番組を見るのは、彼らの失墜を楽しむためなのか(屈辱を受けるだけで、死ぬわけではないのだし)。
それとも、人間性の奇妙な側面を自分ごととして受け止め、同様の極端な状況で自分ならどうするかを考えるため、愛や成功を求める出演者を、純粋な気持ちで応援するためなのか──。
いずれもイエス、というのが本当の答えだろう。ならば、その不快な一面から目を背けてはならない。