「ガラパゴス音楽」とは呼ばせない ...日本人アーティストに全米が夢中──BAND-MAID/新しい学校のリーダーズ/YOASOBI/藤井風/XG
Band-Maid / Atarashii Gakko! / Yoasobi / Fujii Kaze / XG
米人気テレビ番組に出演「新しい学校のリーダーズ」
キュートなビジュアルと激しいパフォーマンスのギャップでアメリカの音楽ファンを驚かせたガールズグループをもう1つ紹介しよう。17年にメジャーデビューした4人組、新しい学校のリーダーズだ。
ロック、欧米のポップ、Jポップ、さらにはレフトフィールド(非主流のハウスやテクノ)の電子音楽にラップと、多種多様な音楽を貪欲に吸収し、唯一無二のサウンドを生み出した4人。全員セーラー服姿で、コミカルなキレのいいダンスを見せる。
昨年12月、彼女たちはアメリカ最大級のプロモーションツールを利用するチャンスを得た。4大ネットワークの1つ、ABCの人気番組『ジミー・キンメル・ライブ!』に出演し、ハードなラップと奇抜なダンスでスタジオを沸かせたのだ。
今年4月には世界最大級の野外音楽フェス、コーチェラにも出演。セーラー服にどてらを羽織ってステージに登場し、斬新な演出で観客を熱狂させた。
「YOASOBI」はホワイトハウスにも
今年のコーチェラには、よりメロディックな楽曲でアメリカの音楽ファンをつかんだ日本人ユニットも出演した。コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraのデュオ、YOASOBIだ。
彼らの曲作りは一風変わっている。日本の小説イラスト投稿サイトに掲載されたストーリーに着想を得て、Ayaseが楽曲を作り、ボーカロイドの初音ミクを使ってデモ音源を制作。ikuraはそれを聴き、どう歌えば物語が伝わるかを考え、楽曲に命を吹き込んでいく。
2人は今年4月、アメリカで千載一遇の舞台に立った。訪米した岸田文雄首相を歓待するため、ジョー・バイデン米大統領がホワイトハウスで開いた公式晩餐会に招かれたのだ。
「昨年はYOASOBIの『アイドル』と藤井風の『死ぬのがいいわ』が世界的にヒットした」と、ルミネイトのコシンスキーは言う。「この2曲がグローバルな成功を収めたのには、アニメとショート動画の力が大きい」
「アイドル」はテレビアニメ『【推しの子】』の主題歌。日本語の楽曲としては初めてビルボードのグローバルチャートでトップに輝いた。
タイのTikTokユーザーがきっかけに「藤井風」
シンガーソングライターである藤井風の「死ぬのがいいわ」は、タイのTikTok(ティックトック)ユーザーたちが好きなアニメなどの動画にこの曲を合わせた投稿を次々と行ったことをきっかけに、アジアや欧米で大ヒット。
音楽配信サービスのスポティファイでの再生回数は5億回を突破した。今年5~6月にアメリカでのツアーを成功させた藤井は、国境や民族の壁を越えたボーダーレスな音楽活動を目指している。
♬ Shinunoga E-Wa - Fujii Kaze