新型コロナウイルスで休業の映画館に代わり脚光 日米韓それぞれのドライブインシアター
ドライブインシアターの本場、アメリカは?
一方、車社会の本場アメリカでは意外なドライブインシアターの利用が話題となっている。今月はキリスト教のイベント、イースター(復活祭)があったが、これもドライブイン方式で開催され注目を集めている。他にも、週末の礼拝なども駐車場に設置されたドライブインシアターで行う教会もあるという。
アメリカでは、50年代から70年代頃がドライブインシアターのピークと言われ、その後徐々に数が減り続けていた。現在、稼働中の劇場は約300館(549スクリーン)と言われている。
しかし、今回の新型コロナウイルスの影響を受け、今こそドライブインの出番だと奮闘する会社も出てきた。テキサスを中心にドライブインシアターを展開しているEVO Entertainmentは無料上映で客を呼び、フードドリンクで利益を上げようとしている。もともと通常の映画館でも入場料より飲食代の利益が大きいと言われている。そこに注目し、無料でドライブインシアターを体験させ、人気復活にひと役買いながらしっかり収益を確保しているようだ。
ドライブインシアターは「人が集まる」ことなの?
しかし、アメリカでは現在、感染予防策として5人から10人以上の人が集まることを禁止する州が増えている。果たして、ドライブインシアターはこれに含まれるのか、含まれないのか、グレイゾーンなのは確かだ。せっかくリバイバルブームの兆しを見せたのもつかの間、州や地域によって中止を言い渡された例もある。3月19日カリフォルニア州では、外出禁止令が出たと同時にパラマウント・ドライブインなど数カ所のドライブインシアターは営業停止をせざるを得なかった。
とはいえ、新型コロナの影響を受けて劇場公開が難しかった映画『トロールズ ミュージック☆パワー』は、ドライブインシアターとオンラインで封切を迎えるなど、公開延期になりそうだった作品を救った事例もある。衰退していたドライブインシアターも今回のコロナパニックの前と後では、その存在を見直されことになるかもしれない。