最新記事

映画

新型コロナウイルスで休業の映画館に代わり脚光 日米韓それぞれのドライブインシアター

2020年4月18日(土)12時50分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

newsweek_20200417_222533.jpg

パラマウント・ドライブイン AP/YouTube

ドライブインシアターの本場、アメリカは?

一方、車社会の本場アメリカでは意外なドライブインシアターの利用が話題となっている。今月はキリスト教のイベント、イースター(復活祭)があったが、これもドライブイン方式で開催され注目を集めている。他にも、週末の礼拝なども駐車場に設置されたドライブインシアターで行う教会もあるという。

アメリカでは、50年代から70年代頃がドライブインシアターのピークと言われ、その後徐々に数が減り続けていた。現在、稼働中の劇場は約300館(549スクリーン)と言われている。

しかし、今回の新型コロナウイルスの影響を受け、今こそドライブインの出番だと奮闘する会社も出てきた。テキサスを中心にドライブインシアターを展開しているEVO Entertainmentは無料上映で客を呼び、フードドリンクで利益を上げようとしている。もともと通常の映画館でも入場料より飲食代の利益が大きいと言われている。そこに注目し、無料でドライブインシアターを体験させ、人気復活にひと役買いながらしっかり収益を確保しているようだ。

ドライブインシアターは「人が集まる」ことなの?

しかし、アメリカでは現在、感染予防策として5人から10人以上の人が集まることを禁止する州が増えている。果たして、ドライブインシアターはこれに含まれるのか、含まれないのか、グレイゾーンなのは確かだ。せっかくリバイバルブームの兆しを見せたのもつかの間、州や地域によって中止を言い渡された例もある。3月19日カリフォルニア州では、外出禁止令が出たと同時にパラマウント・ドライブインなど数カ所のドライブインシアターは営業停止をせざるを得なかった。

とはいえ、新型コロナの影響を受けて劇場公開が難しかった映画『トロールズ ミュージック☆パワー』は、ドライブインシアターとオンラインで封切を迎えるなど、公開延期になりそうだった作品を救った事例もある。衰退していたドライブインシアターも今回のコロナパニックの前と後では、その存在を見直されことになるかもしれない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ

ワールド

全米で反トランプ氏デモ、「王はいらない」 数百万人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中