韓国発の超大作『キングダム』、台湾・香港版タイトルが韓国で炎上 新型コロナウイルスもあって問題化
韓国を卑下したタイトル?で炎上
映画やドラマは中国語圏では名称が漢字に変更されるため印象がガラッと変わることがあるが、『キングダム』の台湾・香港地域の作品名が『李屍朝鮮』とつけられていたのだ。これは、元々1392年より600年以上続いた朝鮮半島最後の王朝である「李氏朝鮮」という言葉をもじっているのだが、「氏」の文字を似た発音の「屍」に入れ替えた表現が韓国を卑下した呼び方として不適切だと韓国内で炎上した。確かに内容的にはゾンビが出てくる作品だけにピッタリかもしれないが、新型コロナウイルスが広まっているタイミングもあって、よけいに韓国国民の感情を逆なでしたかもしれない。
そもそも、映画の現地タイトルは誰が決めているかご存じだろうか? 実は買い付けを行った映画バイヤーが社内で決めることが多く、マーケティング担当や関連会社と会議して決定することがほとんどだ。
一般的にはそのままのタイトルを現地の言葉に訳すか、世界向けに付けられている英語タイトルを使用することが多いが、過去にその国で上映された映画で同名のタイトルが存在する場合や、レーティング審議で引っかかってしまう過激な作品名だった場合、また、タイトルにもトレンドがあるため、より集客を望めるタイトルにする場合などは変更することがある。その際には、販売権利元の会社を通し、理由を説明したうえでプロデューサーと相談して決めるのが一般的だ。
今回Netflixは、この指摘を受け「作品名は現地スタッフが決定している。直ちに変更するように指示した」と発表し、その後3月20日にNetflixは『屍戦朝鮮』というタイトルに変更した。世界同時配信ドラマであり各国にスタッフを持つNetflixだからこそ生じたトラブルと言える。
「マーキュリー」が「アポロ」に変身
さて、作品名と言えば、日本でも映画マニアの間で度々「ひどい邦題論争」が起こっている。特に監督からも抗議が入るほどの騒ぎとなった映画『ドリーム』の邦題トラブルが記憶に新しい。2017年秋に日本で公開されたこの作品の原題は『Hidden Figures』だった。しかし、発音のしにくさや、聞きなれず単語の意味が伝わりにくいという理由からか、『ドリーム 私たちのアポロ計画』に変更されてしまう。
しかしこの映画、そもそも宇宙船"アポロ"計画の話ではなく、宇宙船"マーキュリー"計画の話なのである。確かに、アポロはお菓子の名前にもなっているほど日本人に馴染みが深い。しかし、これはあんまりだとTwitterなどで抗議が殺到し、それがこの映画を作ったセオドア・メルフィ監督にまで伝わってしまった。その後、『私たちのアポロ計画』は削除されて『ドリーム』というタイトルで世に出ることとなった。