ストリーミング配信は戦国時代へ スピルバーグからアナ雪、トトロまで参戦
配信映画に大反対だったスピルバーグも
その中でも、一番注目されているのがスティーブン・スピルバーグ監督だ。彼はこれまで「ストリーミングサービスで作られる映画は映画とは言わない」と否定的な姿勢をとってきた。今年2月に行われたアカデミー賞で監督賞を含む3部門を受賞した映画『ROMA』はNetflix制作配信の映画だったが、この受賞についてアカデミー賞を主催する役員でもあるスピルバーグ監督は、「今後ストリーミング配信映画はTV番組と扱うべきであり、映画としてアカデミー賞にノミネートするべきではない」と、ルール改正を求めたという報道すら流れた。
その意味では今回、Apple TV+で制作されるのは、厳密な意味での映画ではない。1985年からアメリカで放送されたスピルバーグ監督のTVドラマ『世にも不思議なアメージング・ストーリー』のリバイバル版『Amazing Stories』の製作総指揮でApple TV+に参加するということだ。だが、これが縁で今後ストリーミングサービス配信用の映画制作も行うかもしれない。
果たして反対派だったスピルバーグ監督をApple TV+は一体どのように口説き落としたのだろうか? 実は、Apple TV+は今までのストリーミング配信会社とは違い、劇場公開優先の動きを見せている。最近、Apple TV+制作の映画関係者が大規模での劇場先行公開を準備しているという報道が流れた。これで、今までストリーミングには反対していた映画人もApple TV+側に取り込んで、他社とは違った大御所のラインナップを目指しているのではないだろうか。
同じ11月にはディズニーも参戦
11月にサービスを開始するのは、Apple TV+だけではない。12日には、アメリカ全土でディズニーが新しい配信サービス「Disney+」の配信を開始する。料金は月額6.99ドル/年間69.99ドルだ。アメリカでのサービスが開始されてから2年以内に日本を含む主要各国でも開始すると公式発表している。子供向けアニメから、大人にも人気のスター・ウォーズなどのメガヒット映画。また、アメリカンドリーム華やかな1960年代のアットホームなファミリー向け映画などもあり、子供から大人まで幅広く楽しめるラインナップが強みだろう。