心配しても92%は意味がない。欧米で注目「考えすぎ」問題への対処法とは
どうしよう。ブライズメイドのために用意したドレスの色選びで失敗した。これじゃ新婦の私が太って見えちゃう。「あんなに太っていてドレスのセンスがない女と、なぜ新郎は結婚するんだろう」ってみんなに思われてしまう――。
こうして、ネガティブで破壊的な思考のスパイラルに陥ってしまったら問題発生だ。恐怖心や、ストレスのもととなる過剰反応を引き起こす。
「考えすぎ」に関して医師が心配するのは、それが患者の睡眠の妨げになっているかどうかだ。恐怖心による「考えすぎ」は、睡眠にとって不要な化学物質を脳内で生み出し、睡眠障害を引き起こす可能性がある。
「ネガティブな考えすぎ」により気分に長期的な影響がもたらされるのは明白であり、またそれはうつ病にも深く関わってると、研究で明らかになっている。では、こうした「ネガティブな考えすぎ」を頭から追い出すことはできないのだろうか。
「心配」や「考えすぎ」をやめられない根本原因
なぜ私たちは「ネガティブな考えすぎ」から抜け出せず、心配せずにはいられないのか。実はそれには、子ども時代の経験が大きく影響している。
そもそも子どもが先天的に心配性である確率は25~40%だと著者は言う。そして、子どもは、周りの大人が大丈夫なときにだけ、自分も安全であると生存本能的に考える。
すると、親や周囲の大人が眉間にしわを寄せたり、ため息をついたりしているのを見たときには、大人がそうしているならそれは重要なことで、大人の社会で生きていくために必要なことなのだと認識するのだ。
過剰に心配をする親は、得てしてわが子に対して過保護になりがちだ。そうして親が子どもを心配することで「この世界は、つらいことで満ちあふれた危険な場所だ。安全でいるためには、つねに警戒していなければならない」といったメッセージをいつの間にか子どもが受け取ることになる。
これが、私たちが「心配」や「考えすぎ」をやめられない根本的な原因である。
原因となる「思考ウイルス」は18種類
著者の診察室を訪れる多くの人は、こうした心配が、健康問題や睡眠障害、そして疲労の原因になっていることを理解しているという。にもかかわらず、彼らはそういったクセを手放そうとしない。心配するという行為が、逆に彼らを守ってくれると信じているからだ。反対に、もし心配するのをやめれば、必ず良くないことが起きると思い込んでいる。
このような考えは、迷信にすぎない。心配には、何かを予知したり予防したりする力は備わっていないからだ。