【展望】2022年の株式相場は2018年相場に近いものになる?
■2度のピークを経て株価は...
私は今回、2022年の株価は2018年に近い動きをするのではないか、という仮説を立てました。2016年の年初から始まった株価サイクルが2018年で終わりました。年末にかけて米中貿易摩擦による景気後退懸念から株価は大きく下げて、株価サイクルが終わりました。
そして、現在の株価サイクルは2020年の3月に始まり、このまま株価が順調に上昇すると2022年には3年目を迎えることになりますので、この点が2018年と似ています。2022年は中間選挙の年ですし、政治の面からも2018年と似ています。
2022年が2018年と同じ株価のパターンを繰り返すと仮定すると、株価は以下のチャートのようになります。これは、2017年11月から2018年12月までの月次騰落率を使って、2021年11月末の実績をベースに作成したものです。
2018年相場に近い動きをするという私の仮説に則れば、2022年相場は、「最高の3か月」が終わる1月に一度ピークを付け、調整を経て上昇し、8~9月あたりに2度目の株価のピークを付けて、年末にかけて株価は下落することになります。
■株価サイクルが終わる要因
2022年に株価がピークを付けるとすると、何がその要因になるのでしょうか。
もちろん、2022年になって新たな悪材料が出てくるかもしれませんが、それは出てきたときに考えればいいので、現時点で考えられる悪材料を確認してみたいと思います。
現在、マーケットは懸念(悪材料、下げ材料)に溢れていますが、最大のリスク要因は金融政策の変更によるものでしょう。もっと言ってしまえば、金融政策に関する懸念以外のリスク要因の市場への影響は限定的だと考えています。
●金融政策に対する懸念
テーパリングを経て、2022年にはFRBが利上げを始めるでしょう。利上げを巡る不透明感や景気減速懸念が株価を押し下げる要因となる可能性は非常に高いと言えます。最も注目すべき材料です。
●インフレ懸念
インフレはコストの上昇をもたらし、企業収益の悪化懸念から、株式市場の下落要因となります。また、インフレ懸念は金利上昇にもつながり、とりわけ成長株のバリュエーション悪化を招き、成長株の下落圧力となるでしょう。
●中国不動産バブル崩壊懸念(恒大集団の負の連鎖)
恒大集団の債務問題が1社だけの問題にとどまらず、中国の不動産価格暴落につながることになれば、世界経済や世界株式への影響は無視できません。
これらの懸念が深刻な景気後退をもたらすことまでは想定していませんが、株価サイクルが成熟するにつれ、懸念に対する株価の反応はより過敏になると考えられます。
2022年、おすすめ投資戦略
株価サイクルをベースに組み立てた仮説(メイン・シナリオ)を踏まえて、2022年、長期投資家の皆様には以下のような戦略を提案したいと思います。