性教育は妊娠・避妊だけじゃない。「性犯罪から身を守る方法」何歳からどうやって教える?
今からでも間に合う「キャッチアップ性教育」
小さい頃からの性教育が大切だと言われても、すでに思春期になっていて、今さら子どもと性の話などできないという人は多いかもしれない。
宮原氏がそんな保護者に提案するのが「キャッチアップ性教育」だ。本やサイト、動画などのツールを活用して、子どもに正しい知識を伝える方法である。
海外の調査によると、正しい知識を得ることにより、子どもが性行動に慎重になり、経験する年齢を遅くすることにもつながるという。
保護者が子どもに性の話を直接するのではなく、思春期向けに書かれた性の本を渡したり、サイトや動画などを教えたりして、それらに代弁してもらう。渡しにくい場合は、本をそっと子どもの部屋の本棚やトイレに並べておくのも手だ。
子どもが性について知りたいと思ったときに、アダルトサイトではなく、信頼できる知識に触れられる環境を整えておくのだ。子どもには「分からないことがあれば、いつでも聞いてね」と伝えておこう。
また、本やサイトなどのツールをきっかけに、性の会話をしてみる。小さな対話を重ねながら、子どもと性の話ができる関係性を築いていく。その積み重ねにより、性の話も日常会話のひとつにできるようになる。
大切なのは、子どもに何か困ったことがあったとき、保護者に相談できるような関係をつくることだ。性の会話を始めるのに遅すぎることはないと宮原氏は断言する。
考えてみれば、学校での性教育では、踏み込んだ内容に触れることはない。一方で、親子の間で性の話はなんとなくタブーだと思っている人が多いだろう。
しかし、子どもたちが偏った内容のアダルトサイトや先入観が入った友人や先輩の話を鵜呑みにしてるとしたら、とても危険だ。
性教育はセックス、妊娠、避妊だけを教えるものではない。子どもたちが性犯罪に巻き込まれないためにも、自分や相手を守るためにも大切な知識なのだ。
『子どもと性の話、はじめませんか?――
からだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」』
宮原由紀 著
高橋幸子 監修
CCCメディアハウス
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