新卒1カ月で無職になった彼女を、Forbes選出の起業家に変えた1冊の本
ティナさんに会って感じたのは、もちろん運がいいというのもありますが、「これは自分が引き寄せた結果だ」ということ。20歳の時に漠然と憧れていたスタンフォード大学に行きたい気持ちは、勝手に諦めていたのだということにも気づきました。
でもティナさんに会ったことで、この本(新版)の第8章にある「幸運とは、小さな選択やささいな行動の積み重ねで、毎日少しずつ向上した結果、長期的に成功する確率が上がったこと」というのを実感したんです。
身近なチャンスをひとつひとつモノにして、可能性を広げていけば、できることがどんどん広がって目標に近付けるのだと思えるようになりました。だって、憧れのティナさんに会って、話をすることができたのだから。仕事も辞めて自信をなくしかけていた私にとって、自分が幸運を引き寄せられる人間だと確信し、自信を取り戻すきっかけとなりました。
夢がかなった自分を「運がいい」と言うが、「会いたい」とメールをして、何とかお金を工面してまでアメリカに行く覚悟があったから、憧れの人を引き寄せられたのだろう。
帰国後は研修を通して出合った、テクノロジー業界における女性のエンパワーメントグループを日本に導入する取り組みを始める。IT業界における女性の割合が少ないことへの問題意識を、仕事に結び付けたのだ。
日本のIT業界に女性の割合がとても少ないせいか、女性エンジニアのコミュニティはあっても法人としてのエンパワーメント組織がないことを知っていたので、「なんでやらないのだろう?」とずっと疑問に思っていました。
でも経験とスキルが少なく、いま起業しても(成功までに)時間がかかると思ったので、まずは女性に限定せず広くエンパワーメントしている組織である「みんなのコード」で仕事をしながら、起業を目指すことにしました。
幸運を呼び込む方法が書かれた第8章が好き
「みんなのコード」とは、企業・行政と協力しながら公教育でのプログラミング教育を推進するNPOで、全国の学校現場の先生たちを支援している。
田中さんはプログラミング教育の重要性を訴えるシンポジウムの運営などに関わってきた。そんな中で、とりわけ女子中高生に向けたIT教育に力を入れていきたいと思い、より強く起業を考えるようになったという。
学校の先生を通じて取り組むよりも、もっとダイレクトに女子中高生をターゲットにするほうがいいのでは、という思いが日々募っていきました。
でも株式会社だったら子会社設立という流れになると思うんですが、NPOにはそのような仕組みがない。そこで、「みんなのコード」代表の利根川裕太氏にも相談に乗ってもらい、別の団体(Waffle)を立ち上げることにしたんです。彼には立ち上げた団体の理事も務めてもらっていて、感謝しかありません。