最新記事

キャリア

世界で10万人以上が学んできた「先延ばし」克服の科学的メソッド

2018年7月19日(木)18時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「先延ばし」をする人は優秀

本書で「内なる目標に基づくモチベーション」の重要性を説くのも、物事を遂行すること自体が幸福であるという「フロー状態」が「やる気のエンジン」になるからだ。その際、大き過ぎる目標を設定するのではなく、マイクロハビット、つまり小さな習慣や目標をこまめに設定して達成感を得ることが大事だという。

また、先延ばしが起こるのは、たいてい人の目がないときである。そのために有効なツールが「ヒロイズム」だ。自分は他の人とは違って、誰も見ていないのに並外れた行動をとれる勇気ある人間という自意識を高めることによって、先延ばしに打ち勝つことができるのだ。

敢えて気のすすまないことから一日をスタートすることで、自分がヒーローになる行動を促しやすくなる。ルドウィグ自身、起きた直後に運動をして冷水シャワーを浴びて自分を「朝のヒーロー」に仕立てることによって、だらだら二度寝をすることを克服したという。

ちなみにルドウィグに一番効き目があったツールは、「習慣リスト」とのこと。毎日書き込みをしていく1枚の表にスコアを付けていくもので、多少手はかかるが、視覚化することでやり遂げる達成感を得やすくなる。例えば「早起き」を「7時半」、「飲酒」を「ワイン2杯まで」、「運動」を「腕立て伏せ10回」などと目標を設定する。その日の目標をいくつ、どれだけ達成できたかで、一日の終わりにスコアを付ける。ルドウィグは、これによって不得意で先延ばししていた書類申請など事務処理の8割は克服したという。

では、先延ばしをしやすい人のタイプはあるのだろうか。

「先延ばしする人はたいてい優秀な人です。創造性豊かで選択肢が多く、また多くのことを人から頼まれる人です。それに、自分に言い訳をするだけの頭脳や能力にも恵まれています」

ただし、先延ばしを1つずつ克服することはできても、完全にゼロにすることはできない。それでも、先延ばしによって無駄な時間を極力なくすことが充実した人生を送るための秘訣だとルドウィグは力説する。

なぜ「先延ばし克服」の本を書いたのか

ルドウィグは科学コミュニケ―ター、起業家として活躍する32歳のチェコ人だ。先延ばしを研究するきっかけは12年前の2006年。大学入学直前に友人とバスケットボールをしていたときに右半身が突然マヒし、生死をさまよう経験をした。生存確率は50%と言われたが、数日後に目を覚まし、幸いなことに運動機能にも障害は残らなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=まちまち、イラン関連報道で一時動揺も

ビジネス

スペースX、IPO評価額目標を2兆ドル超に引き上げ

ビジネス

FRB、不確実な経済に対応可能 中東戦争で見通し困

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、トランプ氏演説受け「有事の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受給年齢」
  • 3
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 6
    日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    先進国が出生数の減少を嘆く必要はない? 「経済的…
  • 9
    「一般市民に敵意なし」...イラン大統領が米国民宛て…
  • 10
    200年前の沈没記録が裏付けられた...捕鯨船を海の藻…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中