真偽不明の「健康情報」がネットに溢れる今...本当に健康に役立つ「正しいエビデンス」の見分け方とは?
井手 こういうものを売り文句にした健康食品はたくさんありますよね。これはなくならないものでしょうか?
林 今後、規制やガイドラインなどなんらかの動きはあるかもしれませんが、健康分野はみんなが興味を持つものなので、なかなか減らないと思っておいた方が良いと思います。
手法としては昔以上に巧妙になっているので、消費者側が上手く乗せられないように、見極められるようにした方がいいでしょう。
一人ひとりが健康についての情報を読み解くヘルスリテラシーを付けることが、本当に大事になってきていると思います。
井手 人というのは楽をしたいので、「このサプリを飲めばOK」「〇〇を食べれば健康になる」というと飛びついてしまうものですが、そんな単純ではないのですね。
林 健康と病気の関係を単純化しすぎる還元主義には注意が必要です。
長年パブリックヘルスを学んできて、食、運動、睡眠などどの分野も大事であることはわかっていて、どれか一つだけを気を付けておけば良いというものではないからこそ、それを1冊で学べる本が必要だと思いました。
井手 まさにこの1冊にすべてがまとまっていると思うので、ぜひ手に取っていただきたいと思います。
今日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
『それでもあきらめない』
著者:林英恵
出版社:あさ出版
要約を読む
林英恵(はやし はなえ)
パブリックヘルスストラテジスト・公衆衛生学者(行動科学・ヘルスコミュニケーション・社会疫学)、Down to Earth 株式会社代表取締役、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート特任准教授、東京大学・東京医科歯科大学非常勤講師
1979年千葉県生まれ。2004年早稲田大学社会科学部卒業、2006年ボストン大学教育大学院修士課程修了、2012年ハーバード大学公衆衛生大学院修士課程を経て、2016年同大学院社会行動科学部にて博士号取得(Doctor of Science:科学博士・同学部の博士号取得は日本人女性初)。専門は、行動科学・ヘルスコミュニケーション、および社会疫学。一人でも多くの人が与えられた寿命を幸せに全うできる社会を作ることが使命。様々な国で健康づくりに携わる中で、多くの人たちが、健康法は知っていても習慣づける方法を知らないため、やめたい悪習慣をたちきり、身につけたい健康法を実践することができないことを痛感する。長きにわたって頼りになる「健康習慣の身につけ方」を科学的に説いた日本人向けの本を書きたいと思い、執筆した。
2007年から2020年まで、外資系広告会社であるマッキャンヘルスで戦略プランナーとして本社ニューヨーク・ロンドン・東京にて勤務。ニューヨークでの勤務中に博士号を取得。東京ではパブリックヘルス部門を立ち上げ、マッキャンパブリックヘルス・アジアパシフィックディレクターとして勤務後、独立。2020年、Down to Earth(ダウン トゥー アース)株式会社を設立。社名は英語で「実践的な、親しみやすい」という意味で、学問と実践の世界をつなぐことを意図している。国際機関や国、自治体、企業などに対し、健康に関する戦略・事業開発、コンサルティングを行い、学術研究なども行っている。加えて、個人の行動変容をサポートするためのライフスタイルブランドの設立準備中。2018年、アメリカのジョン・ロックフェラー3世が設立したアジアソサエティ(本部・ニューヨーク)が選ぶ、アジア太平洋地域のヤングリーダー “Asia 21 Young Leaders” に選出。また、2020年、アメリカのアイゼンハワー元大統領によるアイゼンハワー財団(本部・フィラデルフィア)が手がける、世界の女性リーダー “Global Women’s Leadership Fellow” に唯一の日本人として選ばれる。両組織において、現在もフェローとして国際的な活動を続ける。
『命の格差は止められるか ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業』(小学館)をプロデュース。著書に、『それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと』(あさ出版)がある。
flier編集部
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