肉体を鍛えるアスリートのように「脳」も鍛えられる...AI時代に重要となるブレイン・ワークアウトとは?

2023年11月9日(木)19時33分
flier編集部

人体600万年の歴史を知れば、いまを生きやすくなる

──安川さんの人生観や探究テーマに影響を与えた本は何でしたか。

大きな衝撃を受けたのは、『人体六〇〇万年史』という本です。人類の身体の進化史をさかのぼることで、森を追われた弱いサルがホモ・サピエンスとして唯一ホモ属として生き残る過程を解き明かしていきます。また、もともと狩猟採集民族だった人類の身体とその後の文明による行動変容とのミスマッチが様々な疾病の原因であることを明らかにしています。ヘルスケアベンチャーの投資をしていた頃に読みましたが、予防医療の本質は「本来の体が求めているもの」を取り込むことだと学びました。たとえば、ストレスを溜め込まないとか、必要以上に食べないとか。こうした狩猟民族時代の生活を忘れないことが大事だと腹落ちしました。私たちの祖先のあり方を知れば、現代を生きやすくなると学びましたね。

人類史への興味が強まるなかで出合ったのが、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』です。国家、貨幣、企業といった「虚構(フィクション)」を信じる力がホモ・サピエンスに文明をもたらした。そうした「認知革命」に焦点を当てた世界的ベストセラーです。圧倒的な情報量で、この本がもっと早く世に出ていればよかったと思いました。

サピエンス全史(上)
 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
 翻訳:柴田裕之
 出版社:河出書房新社
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

サピエンス全史(下)
 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
 翻訳:柴田裕之
 出版社:河出書房新社
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

3冊目は、遺伝子解析サービスを行うジーンクエストのファウンダー・高橋祥子さんの『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』です。これは、生命科学の知見をビジネスや他者とのコミュニケーションにとりいれることの大切さを説いた本です。

私たちの根っこには、生命に共通した原理原則が存在します。それは「個体として生き残り、種が繁栄するために行動する」というもの。この原則によって、個人の人間関係や組織の問題の説明がつきます。たとえば、人から理不尽な怒りをぶつけられても、「怒りの感情は敵に対応するために存在するもの。危険を感じたらコルチゾールが分泌されて交感神経が優位になるのは、生命として生き延びるための原則が働いているから」とわかれば、そのつらさが緩和するでしょう。

ビジネスと人生の「見え方」が一変する
 生命科学的思考

 著者:高橋祥子
 出版社:NewsPicksパブリッシング
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、空挺部隊数千人を中東に増派へ イランへの派遣は

ワールド

イスラエル、レバノン南部に「緩衝地帯」構想 国防相

ワールド

欧州委、ロ産原油輸入停止法案先送り 「地政学的状況

ワールド

米TSA職員450人超辞職、2月政府閉鎖以降 空港
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 6
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 7
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 8
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 9
    表情に注目...ニコール・キッドマン、大富豪夫妻から…
  • 10
    イラン戦争、トランプを泥沼に引きずり込む「5つの罠…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中