最新記事
ストレス

読書で「自己肯定感」が高まる...ストレス軽減の「癒し効果」、長生きにもつながる読書の効能とは?

2023年10月28日(土)18時26分
flier編集部

人生の源は、「ワクワクすること」にある

──寺田さんの人生観に影響を与えた本は何でしたか。

3冊あって、1冊目は『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』という本です。一般的な自己啓発書では、「優先度をつけよう」「意思決定はすばやく」などと書かれていますよね。ですが、この本では逆説的な教えが推奨されています。「決断は後回しにしていい」「やる気が出るまでぐずぐずするのはいいこと」といった具合です。

この本を読んだのは、外資系企業の通訳の仕事がハードで、仕事をやめた時期です。当時は効率至上主義にどっぷり浸かっていたので、真逆の世界観に衝撃を受けました。私たちは、たとえ会いたい人がいても、出向いていくことの費用対効果を考えはじめて気持ちがしぼんでしまうことも。ですが、そんなことを考えずに、「会いたい」という気持ちに素直になったほうが得られるものは多い。「自分がワクワクすること(ソース)」にこそ、人生を活性化させる力が宿っているのだと学びました。

ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。
 著者:マイク・マクマナス
 翻訳:ヒューイ陽子
 出版社:ヴォイス
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

2冊目は『心の杖ことば366日』。恩師である松原泰道先生が、禅語や和歌、川柳から「心の杖」になることばを一日一言綴った上下巻の本です。「粗(そあら)なることばをなすなかれ(荒々しいものの言い方はいけない)」といったことばが印象的で、10年間毎日のように読み返し、そのたびに心の手入れになる一冊です。

3冊目は、私に古典の面白さを教えてくれた清川妙先生の『兼好さんの遺言』という本です。印象的だったのが、「死は前よりしも来たらず、かねてうしろに迫れり(死は前のほうから来るとは限らない。気づかないうちに音もなく、すぐ後ろに迫っている)」という死生観を表す言葉。でも、その事実に打ちのめされるのではなく、だからこそ「存命の喜びを味わおう(日々を楽しんでいこう)」というスタンスに励まされました。日々スキルアップをして上をめざしていても、うまくいかないこともある。そんなとき、『徒然草』のような思想とそこから得た言葉が自分の軸にあると、支えになってくれるように思います。

兼好さんの遺言:徒然草が教えてくれる、わたしたちの生きかた
 著者:清川妙
 出版社:小学館
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ハマスが人質リスト公開するまで停戦開始

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中