なぜヒトだけが老いるのか? 生物学者が提言する「幸福な老後の迎え方」
私たちはAIが時に間違う場面も見ているので、AIが万能ではないとわかっています。だから、あくまで人が主体でAIはそれに従属するツールだと思える。ところが、次の世代の人たちは生まれたときから、親や先生よりも物知りでパフォーマンスの高いAIとつき合っていくわけです。すると、AIに考えてもらうほうがラクに正解にたどり着けるからと、AIに主導権をわたしてしまうのではないか――。生物の機能は使わないとどんどん退化するので、ヒトが思考しなくなるのは問題です。
AIの登場は、人間の理解を超えた「エイリアン」の来襲といえるかもしれません。もしもAIの存続を優先するようなプログラムがなされたら、私たちはAIのメンテナンスをするためだけの存在になる可能性があります。それを防ぐためにも、私たちは自身で考えることをやめずに、人間の存在や幸せとは何か、どんなことに時間を使うかをこれまで以上に考えなくてはいけないでしょう。死なないAIが登場することで、命が有限である私たち人間の存在とは何なのか、AIの登場前には思い至らなかった問いと向き合うようになったといえます。
分子生物学の研究へ進むきっかけをくれた一冊
──小林先生の人生観や研究に大きな影響を与えた本はありますか。
分子生物学の研究者をめざすようになった一番のきっかけになったのは、高校時代に読んだ『人間の終焉』という本です。著者は、戦後のDNA研究をリードしてきた渡辺格さん。生命現象の仕組みを分子レベルで解明する分子生物学の草分け的存在です。
1980年頃、ヒトが遺伝子にコードされているタンパク質によってつくられていることがわかり、DNAを全部読み解くと人間の設計図がわかるといわれていました。そうすれば人間とは何か、私たちのアイデンティティを生み出すものは何なのかも解明できるかもしれないと、非常に衝撃を受けました。ヒト同士の遺伝情報は0.1%くらいしか違わないのに、それだけで見た目も性格もこんなに違うわけでしょう? その0.1%がわかるのはすごく面白そうだし、早く研究しないといけないのでは、と切迫感に駆られたほどでした。
2003年にヒトゲノムプロジェクトで遺伝情報の解読が完了し、結局のところ設計図はわからなかった。ですが、『人間の終焉』は、分子生物学の研究へ進むきっかけをくれた大事な一冊です。
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