最新記事
ヘルス

10万件の悩み相談を受けた精神科医が気付いた、メンタル不調を抱えてしまう人の「共通項」

2023年4月4日(火)17時57分
flier編集部

──樺沢先生ご自身はあきらめた経験はありますか?

私は基本的に淡々とやり続けますね。たとえばYouTubeは今でこそ40万人の登録者がいますが、最初の3年くらいは大変でした。でもまあ「1000本くらいアップすれば、みんな見るようになるんじゃないの?」と考え、8年間毎日欠かさずアップし続けました。未来の自分を信じて、淡々と行動したんですね。

みなさんもたとえば「本や映画を見たらTwitterに感想を書く」など、できることをできる範囲で続けてみたらいいのではないでしょうか。

──淡々と続けるのですね。

「やるぞー!」というのは、せいぜい3カ月しか持ちません。会社のプロジェクトなど期間限定であればいいのですが、1年や2年になると燃え尽きたりうつになったりします。できる範囲でやることが大事です。

私が患者さんによく言うのは「できる範囲でやっていれば、病気にはならないんですよ」ということ。無理してやるから病気になるんです。ただ、力が100あったとしたら、そのギリギリを攻めることが大事です。怠けて70~80でやっていたら結果は出ませんから。自分のパフォーマンスのギリギリを攻めていくことが、疲れずに長く続けられるコツだと思います。

あなたを応援してくれる人は必ずいる

──そのようにして本をたくさん出されて、YouTubeやSNSで毎日発信しながら映画の感想も書かれているのですね。

文章を書いたり情報発信をしたりするって、基本的に楽しいんですよ。ポジティブな反応が必ず起きますので。でもみなさん、ネガティブな反応に注目しちゃうんですね。私は「1:2:7の法則」とよく言うのですが、10人いたらあなたを嫌いな人は必ず1人はいる、でも応援してくれる人は2人いて、残りの7人はどうとも思っていない。これは職場にも当てはまり、反論してくる人は必ずいるけど、応援してくれる人はその倍くらいいます。でも、その人たちは自分で探さないと見つかりません。本書にも「相談する人がいません」という人が出てきますが、絶対にいるんですよ。それに気づくには、自分から相手に話しかけてコミュニケーションをとっていくことが大切なのではないでしょうか。

──最後に、樺沢さんが今後やっていきたいことを教えてください。

情報発信によるメンタル疾患の予防ですね。たとえば、睡眠を削るとうつや認知症になるリスクは高まります。でも、みなさんそれを知らないんですよ。知っていれば「今日は徹夜しないで早めに終わらそう」とか思うはずです。知るだけで予防できることがある。だから健康や予防に役立つ情報を、できるだけ多くの方にお伝えしたいと思っています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

オランダ政府、ネクスペリアへの管理措置を停止 対中

ワールド

ウクライナに大規模夜間攻撃、19人死亡・66人負傷

ワールド

ウクライナに大規模夜間攻撃、19人死亡・66人負傷

ワールド

中国、日本産水産物を事実上輸入停止か 高市首相発言
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中