最新記事
日本社会

転職すべき「隠れた優良企業」を見つけるコツは? 実は国が公開していた

2023年3月27日(月)17時30分
佐野創太(企業顧問、「退職学」の研究家) *PRESIDENT Onlineからの転載

基本スタンスは、「制度を利用する側ではなく、私も子育てや介護を両立する会社を作る側でいたい」という、貢献する意識を見せることです。「制度に乗っかろう」という消費者の意識は、必ず見抜かれます。

ともあれ、国は子育てや介護を応援していますし、そうした企業が着実に増えていることも事実です。

「仕事に専念できなくてすいません」と後ろめたく思う必要はまったくないのです。

不利な環境で我慢する時間はない

「どれだけ頑張っても女性というだけで、評価されない会社なんです」

キャリア相談の中では「一体いつの時代の会社なんでしょうか?」と怒りで声を震わせる相談者さんもいらっしゃいます。

こんな不利な環境で我慢する時間は、あなたには1分もありません。「正当に評価される環境で努力をする」ことが長期的に安心して働くためには必要です。

転職とは、「私を正当に評価できる環境に移動する一連の行動」です。

アメリカの企業コンサルタントだったマリリン・ローデン氏が「ガラスの天井」という言葉を使ったのは1978年頃だと言われています。女性やマイノリティーという属性だけで昇進できない、評価されない「目には見えない障壁に阻はばまれている」状況があることを発信しました。

あれから40年以上経っていますが、状況はどうでしょうか? 改善はされているものの、「女なんだから仕事よりも家事をしろ」「男は子育てなんかせずに黙って働け」と苦しめられている人がいます。無意識のうちに「私は女性だから」「私は男性だから」と追いつめらている人もいます。

女性が働きやすい環境は男性も働きやすい

性別が不利にならない職場は、実は誰にでも簡単に見極めることができます。

それが「えるぼし認定」です。厚労省は「女性の活躍推進に関する状況などが優良な企業を認定する制度」として、えるぼし認定を推進しています。より高い水準の要件を満たした企業は「プラチナえるぼし認定」を受けることができます。

「女性の活躍推進」とあると、「男性の私には関係ない」と思うかもしれませんが、実際に、えるぼし認定企業に転職した男性の相談者さんはこう話してくれました。

女性が働きやすい環境の本当の意味は、「女性だけが働きやすい環境」ではないと気づきました。男性も働きやすいんです。企業の成長のための手段として使い捨てられる道具ではなく、自分だけの人生を持った人間として働ける会社だとわかりました。有休を取る時に理由を上司に伝える必要がなかったり、大事な私用で中抜けしてOKなど、人として尊重されていることがわかります。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、米国の和平案を受領 トランプ氏と近く協

ワールド

トランプ氏、民主6議員を「反逆者」と非難 軍に違法

ビジネス

米9月中古住宅販売、1.2%増の410万戸 住宅金

ワールド

中ロ、ミサイル防衛と「戦略安定」巡り協議 協力強化
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中