最新記事

メンタルヘルス

やりたいことが見つからない...「かくれ繊細さん」の特徴と、共通する悩みの解決法

2022年12月3日(土)13時35分
flier編集部

そんなとき、「やりたいこと探しの本はたくさんあるけれど、どこか物足りなさを感じていた」という、あさ出版の編集者さんから、「かくれ繊細さんがやりたいことを見つける方法について本を書きませんか」とお声がけいただきました。一般のワークは、かくれ繊細さんではない人、つまり非繊細さん向けが多いんですね。かくれ繊細さんの特性に合った「やりたいこと」を見つける方法を届けるために、本書の執筆に至りました。

221201fl_hsp05.jpg

かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方
 著者:時田ひさ子
 出版社:あさ出版
 要約を読む

221201fl_hsp02.jpg

時田さんの講演風景(本人提供)

かくれ繊細さんの「生きづらさ」の本質とは?

──かくれ繊細さんの多くが「やりたいことがわからない」と悩んでいるのは、どんな要因からでしょうか。

やりたいことがすでに自分のなかにあることに「気づかないようにしよう」とする習慣がついているためです。かくれ繊細さんは特性上、「好奇心」と「周囲の反応に縮み上がる繊細さ」の板挟みになることが多い。かくれ繊細さんの「HSS(High Sensation Seeking)」とは、「センセーショナルなことを探す人」という意味です。好奇心のままに色々手を出すと、周囲から「おや?」という反応をされる。すると今度は、もう1つの特性である繊細さと慎重さが現れます。本心のうえに雲が覆いかぶさっている状態です。

なぜこうした状態になるかというと、かくれ繊細さんが生まれながらに持つ感受性の幅が広く、一般の人たちと大きく違うためです。特に幼少期や学生時代に、感性の「はみ出した部分」が、非繊細さんに理解してもらえず、引かれた経験のある人も多い。そのため、また拒否されるのではと恐れ、本来の自分の感じ方を表に出さないで生きているのです。

こうしたことが、やりたいことへの足踏みが続く根本的な理由です。思考回路が複雑で、本心にふたをしていることが、かくれ繊細さんの「生きづらさ」の本質といえます。本書で一貫して伝えたいのは、本心を明確にしていくことが大事というメッセージ。心を覆っている雲をとりはらうお手伝いができたらと考えています。

221201fl_hsp01.jpg

ご著書の図解より「HSPが感じて処理している感性の範囲」

──ご著書では、かくれ繊細さんがやりたいことを見つけるためのワークが多数紹介されています。「やりたいことは言語化できるものの、自信がなく行動を起こせていない」と悩む方には、どんなアドバイスをされますか。

かくれ繊細さんは、ありたい未来の姿を想像したとき、それを取り巻く不安も想起してしまいます。「〇〇さんにバカにされるのでは」などと、特定の人の表情が浮かぶかもしれません。そんなときはそれを具体的な言葉にすると、「いや、実際にバカにされることなんてないな」と冷静になれる。不安を客観視してから「これは本当にやりたいこと?」と自問すると、未来に向けたアクションを起こしやすくなります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中