やりたいことが見つからない...「かくれ繊細さん」の特徴と、共通する悩みの解決法
そんなとき、「やりたいこと探しの本はたくさんあるけれど、どこか物足りなさを感じていた」という、あさ出版の編集者さんから、「かくれ繊細さんがやりたいことを見つける方法について本を書きませんか」とお声がけいただきました。一般のワークは、かくれ繊細さんではない人、つまり非繊細さん向けが多いんですね。かくれ繊細さんの特性に合った「やりたいこと」を見つける方法を届けるために、本書の執筆に至りました。
『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』
著者:時田ひさ子
出版社:あさ出版
要約を読む
かくれ繊細さんの「生きづらさ」の本質とは?
──かくれ繊細さんの多くが「やりたいことがわからない」と悩んでいるのは、どんな要因からでしょうか。
やりたいことがすでに自分のなかにあることに「気づかないようにしよう」とする習慣がついているためです。かくれ繊細さんは特性上、「好奇心」と「周囲の反応に縮み上がる繊細さ」の板挟みになることが多い。かくれ繊細さんの「HSS(High Sensation Seeking)」とは、「センセーショナルなことを探す人」という意味です。好奇心のままに色々手を出すと、周囲から「おや?」という反応をされる。すると今度は、もう1つの特性である繊細さと慎重さが現れます。本心のうえに雲が覆いかぶさっている状態です。
なぜこうした状態になるかというと、かくれ繊細さんが生まれながらに持つ感受性の幅が広く、一般の人たちと大きく違うためです。特に幼少期や学生時代に、感性の「はみ出した部分」が、非繊細さんに理解してもらえず、引かれた経験のある人も多い。そのため、また拒否されるのではと恐れ、本来の自分の感じ方を表に出さないで生きているのです。
こうしたことが、やりたいことへの足踏みが続く根本的な理由です。思考回路が複雑で、本心にふたをしていることが、かくれ繊細さんの「生きづらさ」の本質といえます。本書で一貫して伝えたいのは、本心を明確にしていくことが大事というメッセージ。心を覆っている雲をとりはらうお手伝いができたらと考えています。
──ご著書では、かくれ繊細さんがやりたいことを見つけるためのワークが多数紹介されています。「やりたいことは言語化できるものの、自信がなく行動を起こせていない」と悩む方には、どんなアドバイスをされますか。
かくれ繊細さんは、ありたい未来の姿を想像したとき、それを取り巻く不安も想起してしまいます。「〇〇さんにバカにされるのでは」などと、特定の人の表情が浮かぶかもしれません。そんなときはそれを具体的な言葉にすると、「いや、実際にバカにされることなんてないな」と冷静になれる。不安を客観視してから「これは本当にやりたいこと?」と自問すると、未来に向けたアクションを起こしやすくなります。