最新記事

経営

気を付けるべき12種類のハラスメント、うち法律で規制されているのは3種類

2022年8月31日(水)11時00分
伊藤将人 ※経営ノウハウの泉より転載

会社で起こる可能性があるハラスメントの種類

毎日同じ職場、同じメンバーで働く関係では、意識しないうちに多種多様なハラスメント問題が発生しがちです。会社で起こりうるハラスメントの種類を知り、ハラスメントに該当する言動を知ることで、行為を未然に防ぐことができるという考えのもと、以下で12種類のハラスメントをご紹介します。

①パワーハラスメント

最も代表的なハラスメントの一つで、職場での上下関係や権力を利用した嫌がらせ行為を指します。上司から部下、先輩から後輩に対して行われる場合が多く、指導との線引きが難しいため、ハラスメント行為に該当するかは個別事案ごとに客観的な判断が必要です。

②セクシャルハラスメント

性的な言動によって不利益を被ったり、就業環境が害されたりするハラスメントを指します。性別や年齢、プライベートや容姿について不必要な発言をしたり、身体に触れたりする行為が含まれ、男性から女性に対して行われることが多いとされますが、女性から男性、また同性同士で行われる場合もあります。

③マタニティハラスメント

妊娠や出産、子育てを理由とした嫌がらせや不利益な取り扱いを指します。妊娠・出産したことに心無い発言をされたり、育児休業などの制度を利用したことを理由として同僚や上司等から嫌がらせなどを受けたりすることのほか、不妊治療に対する否定的な言動も含みます。

④モラルハラスメント

暴力など物理的にではなく精神的な攻撃のことで、陰湿ないやがらせ行為等を指します。職権は関係なく、実行不可能な仕事の依頼をしたり、事あるごとに相手を否定したりするなど外部から見えづらい嫌がらせ行為です。加害者に自覚がないことが多く、物理的な証拠が残りにくいのが特徴です。

⑤アルコールハラスメント

飲酒に関連した嫌がらせ行為や迷惑行為を指します。飲酒の強要や酔ったうえでの迷惑行為、飲めない人への配慮を欠くことも該当します。

⑥スメルハラスメント

においによって周囲を不快にさせる行為を指します。一般的に口臭や体臭を指しますが、強すぎる香水や柔軟剤のにおいもスメルハラスメントに該当する場合もあります。加害者には不快にさせているという自覚がなく、またデリケートな問題であるため対応が難しいのが特徴です。

⑦ロジカルハラスメント

正論を突きつけ相手を追い詰める行為を指します。セクハラやパワハラと同じように相手が心理的に圧迫されて仕事に支障が生じやすいためハラスメントの一種と捉えられています。感情面への配慮を忘れ、心理的に追い詰めてしまう行為ですが、加害者側は正しいことを言っている場合が多いため、業務との線引きが難しいです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中